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shukatsu1.jpg 若者の就職が厳しいと言われる中でも、いくつもの優良企業から内定を貰う「就活エリート」と呼ばれる「勝ち組」がいる。しかし、いざ入社してみると、彼らの多くが「戦力外」の烙印を押されているのだという。それはなぜなのか。採用現場の表と裏を分析した新書『就活エリートの迷走』(筑摩書房)を著した豊田義博氏が、ひろゆき氏との対談から理由を説明した。

 豊田氏によれば、ここ4~5年ほどで「就活」が画一化し、マニュアル通りにやれば「勝ち組」になれるという状況が生まれて来たという。それに伴って、増産されて来たのが「就活エリート」だ。しかし、このマニュアル化が「迷走」への落とし穴だという。

 従来、特に文系学生の多くは大学で学んだことを職業で活かす機会が少なく、入社後の経験を通して初めて自分の適性を知ることになった。しかし、現在の就活では「自己分析」や「キャリアビジョン」、「キャリアゴール」の設定が推奨されており、学生は入社前から自分の「適性」や「やりたいこと」を深く考える必要に迫られている。就活エリートとは、こうした「職業アイデンティティ」を高く評価された人達だ。しかし、採用されたからといって思い通りの仕事をさせてもらえるとは限らない。

■「演技」でクリアできる面接は社会に対する不信感を募らせる

shukatsu2.jpg また、面接は企業の求める「演技」さえすれば、クリアできてしまう。面接での「成功」を繰り返すのは、「だまされる」企業を何度も見るということだ。こうして就活エリートの中で、社会に対する不信感が芽生えていく。しかし、社会が信じられないからこそ、「自分が選んでいる会社は素晴らしい会社だ」と思いたいのが人情。そのために、企業研究をし、説明会に足を運び、熱心に情報を仕入れる。彼らが企業の「ビジョン」や「理念」を大切にする理由はこういうところにある。ところが、企業の実態、特に悪い部分は表に出てくるわけがないし、「ビジョン」や「理念」とは現状では実現されていないということにほかならない。いざ入社してみると、「思っていたのと違う」となる。

 豊田氏は、「彼らが一生懸命、就職活動に頑張ろうとすると、こういう風にどんどんなってしまうような仕組みが組み込まれてしまっている」と、熱心に就活をすればするほど、学生と企業の間のギャップが深くなる悪循環があると解説する。

■ひろゆき氏「今時の人事部は使えねぇ」

 話を聞いたひろゆき氏は、

「結局のところ、そういう人をとる会社があるから、そこに学生が合わせて行く。それで、その合わせた学生を採って、企業は『この学生は使えねぇ』って思っている。それって、今時の学生が使えねぇって話じゃなくて、『今時の人事部は使えねぇ』って話ではないか」

と企業の「人事部」を批判。これを受けて、豊田氏は、

 「本当に会社で活躍できる人間って、多くの企業は『問題意識を持って自立的に取り組む人間』というようなことを言う。そういう人間も必要だとは思うが、みんながそういう人間だったら、企業はそういう人間を使いこなせない。もっと、『うちにフィットする人間って本当はどういう奴なんだろう』ということを、現実と合わせて考えるということが必要だ」

と、企業がどういう人間を採用したいのかを再考する必要があることを指摘した。

ニコ生トークセッション 「就活エリート」の迷走 豊田義博×ひろゆき
「ひろゆき氏の『今時の人事部は使えねぇ』発言」部分より再生
http://live.nicovideo.jp/watch/lv37926256#57:00
(番組はタイムシフト機能で2011年1月31日まで視聴できる)

(野吟りん)

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