話題の新商品「ペヤング+納豆」職場で食べたら臭いが充満…上司は禁止命令を出せる?
弁護士ドットコム

まるか食品が2月末に「ペヤングソースやきそばプラス納豆」を発売した。ペヤング愛好家の人たちからは「意外と美味しかった」「これは合う」と賞賛の声があがる一方、その強烈な「臭い」にも注目が集まっている。

「ペヤングソースやきそばプラス納豆」は、通常のペヤングソースやきそばにフリーズドライのひきわり納豆をかけて完成する。そのフリーズドライの納豆臭が強烈なため、職場で食べることは、「周囲に迷惑」=「テロ」ではないかという指摘があがっているのだ。

弁護士ドットコムニュース編集部でも試してみたところ、フリーズドライのかやくを湯切りしたばかりの麺にふりかけた瞬間、あたりに強烈な発酵臭が充満した。近くにいた女性記者は、明らかに不快だという視線を投げかけた。

納豆が苦手な人にとっては、近くで食べられたらかなりきついかもしれない。一般的に、職場で臭いが強い食べ物の飲食を禁止することはできるのか。その措置が「パワハラ」にあたるようなリスクはないのか。労働問題に詳しい河野祥多弁護士に話を聞いた。

●「食べたい人」と「不快に感じる人」の調整、どう図るべき?

「まずは職場の就業規則などで、飲食に関するルールがどのように決まっているかを確認する必要があります。ただし、臭いのある食品の取り扱いといった細かい点までルールで定めてある職場はそれほど多くないのではないでしょうか」

河野弁護士はこのように指摘する。職場としては、「食べたい人」と「不快に感じる人」の調整をどのように図るべきなのか。

「いきなり禁止という措置をとるのではなく、従業員からの聞き取りやアンケートを実施するなどして、実態を把握し、職場内でのガイドラインを作成したり、オフィスの座席等の配置を工夫して食事スペースを設けたりすること等は必要かと思います。

たとえ飲食を制限すること自体が業務の適正な範囲だとしても、声を荒げて一方的に注意するような態様の場合には、適正な範囲を超えるものとしてパワハラとなる可能性があります」

パワハラになるのはどんな場合なのか。

「厚生労働省によると、『職場のパワーハラスメント』とは次のように定義されます。

『同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為』。

以上の定義からすると、上司が特定の食品の飲食を制限することが業務の適正な範囲を超えている場合にはパワハラになる可能性があります」

業務の適正な範囲を超えているかどうかは、どうやって判断すればいいのか。

「業務の適正な範囲内の制限として、飲食を制限する必要があるのか、制限するしたらどの程度まで制限するかは各職場によって異なります。

そのため、納豆入りペヤングの臭いによって周囲の作業効率が下がってしまうなどの理由を説得的に伝え、お互いが納得できるような解決を図る必要があるでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
河野 祥多(こうの・しょうた)弁護士
2007年に茅場町にて事務所を設立以来、個人の方の相談を受けると同時に、従業員100人以下の中小企業法務に力を入れている。最近は、ビザに関する相談も多い。土日相談、深夜相談も可能で、敷居の低い法律事務所をめざしている。
事務所名:むくの木法律事務所
事務所URL:http://www.mukunoki.info/

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