日刊サイゾー

 数年の間に、どれだけの情熱が費やされたのか。

 2015年3月に誕生した、ケモナー専用ラブドール「けものひめ」シリーズ。その第3弾となる「けものひめ 寧々」に、各所から注文が殺到しているという。今回、3作目となる「けものひめ」は、いかなる進化を遂げたのか、話を聞いた。

 15年に発売された、シリーズ第1作「けものひめ きつの」は、情報がリリースされると、そのマニアックさゆえにか、あちこちで話題となった。この商品を開発した株式会社YOSは、もともと異業種の企業で「けものひめ きつの」が、アダルトグッズ参入の第1弾。何か新しいことをやろうと、試行錯誤の上に誕生したのが、これだった。

 多くのケモナーから支持を集めた「けものひめ きつの」であったが、まだまだ厳しい意見もあった。寄せられた意見を取り入れたのが、15年10月に発売された第2弾「けものひめ アーニャ」であった。前作との違いは、まず設定イラストをケモナーに造詣の深いイラストレーター・つじ氏(https://twitter.com/tsu_ji)に発注したこと。もっとも変化したのは、髪の毛が追加されたことだ。

「人形は顔が命です。そこで、より人間っぽくするには、どうすればよいのか考える中で、デザイナーさんからも髪の毛があったほうがよいという意見があったのです」(株式会社YOSのMさん)

 こうして格段に進化した「けものひめ アーニャ」であったが、開発陣はまだ満足をしていなかった。この「けものひめ」は、アダルトグッズの中では高額商品に属する。購入してくれたユーザーに金額以上の満足度を提供するべく、試行錯誤は1年以上も続いた。

 そして、誕生した「けものひめ 寧々」は、驚きの進化を遂げている。大きな特徴はアクリル素材を用いた眼球の導入と、顔の立体化である。

「まだまだかわいくできるはず……。そう考える中で、まず考えたのが目の部分です。刺繍では、どうしても目線が固定されてしまいます。そこで、着ぐるみと同じような形でつくることができないか工場と相談したところ、対応してくれるところを紹介してもらえたんです」(前同)

 実際に手に取ってみると、素材の変化によって大きな違いが起こっている。ひとつに、さまざまな方向から目線を意識できること。そして、生命力が実感できることだ。

 とりわけ生命力が実感できる理由は、顔が立体的になっているから。中身の素材を発泡スチロールに変更したことで「マズル(鼻面・口吻などのいわゆる鼻口部)」が、二次元作品で見られるそれに、より近づいているのだ。

「果たしてどこまでデフォルメするべきか。それがとても難しかったんです。何度も作り直して、ベストな造形にたどり着くことができました」(前同)

 このベストな顔の造形は、機械ではつくることができず、工場で職人さんが一点一点、削り出して制作しているという。これまで以上に、魂がこもった感があるのは、きっとそのせいだろう。

 取材に対応してくれたMさんはユーザーに「とにかく、かわいいと言ってもらいたい」と、情熱を語ってくれた。ユーザーから寄せられた賞賛や指摘のみならず、実際にアダルトグッズとして使用したときの耐久性、あるいはオナホ装着部分の改善点など、長期間愛用しなければわからない意見も反映されているという。

 いわば開発者の情熱とユーザーの愛によって進化を遂げている「けものひめ」シリーズ。その成果なのか「けものひめ 寧々」は予想を超えた注文数のため、必死に制作が続いているという。
(文=昼間たかし)

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