「ウンコ」は魔法の言葉だ。下品ではあるが、大抵の小学生はこの言葉を見ただけで笑いだすし、男子大学生の少なく見積もっても半数以上も、お酒が入った上で聞けば笑いが止まらなくなってしまう。

そんな魔法の言葉を店名に冠し、更にはそれ自体をマークにまで使った大阪の家具店が注目を集めている。名は、「ウンコちゃんの家具屋さん」といい、2017年で創業14年目を迎える。そんなお店は、どのような人が作り、どのように舵を取っているのだろうか。Jタウンネットで取材を申し込んだところ、大町圭司社長から創業時のことや店名の由来から、印象的な出来事まで様々な話を伺うことができた。

笑いのエッセンスは必須

気になる「ウンコちゃん」という名前だが、これはアウトレットという名前が一般的になる以前、関西の家具業界で展示品やB級品の家具を指して使われた言葉に由来するのだという。また、創業者である大町さんの叔父は坂田利夫さんに師事していた漫才師ということもあり、お店に笑いのエッセンスを持ち込んだのだという。大町さん自身も非常に陽気な人柄で、様々なエピソードを交えて取材に応じてくれた。


ユニークで注目を引く名前で、14年目を迎える現在は地元民にも愛されるお店となっているが、創業当初はその名前から来る苦労もあったという。

「家具業界に新規参入するのは難しくて、ここ10年くらいの間に関西地方で創業したのはウンコちゃんくらいなんです。最初は取引先の企業からも信用されず、動物の「ウンコ」のついた家具が送られたりもしました」

また、東京の企業からは「ウコンちゃん」とぼかしたように名前を呼ばれることもあったという。



しかし、創業から2年目にはメディアに取り上げられ始め、更には口コミで客も徐々に増えたという。

人と向き合い、話をするのが好きだという大町さんは、客とのコミュニケーションを重視しているといい、中には毎週話をしに訪れる人も居るという。リピート率の高さも「ウンコちゃん」の特徴だという。

届いたトラック満載の仏壇に頭を抱えたことも

アウトレット品を仕入れる関係から、到着するまで何が来るのか分からないことがあり、以前にはトラック満載の健康器具、卓球台、200個の仏壇など、通常の家具屋では持て余す品が届いたこともあるのだという。

この時のことについて、

「どれも悩みましたが、仏壇には特に頭を抱えました。しかし、思い切って9900円で売り出したところ、大阪付近の中国人の方がどんどん買ってくれました。あちらの文化では、仏壇は1人につき1つ持つのが普通らしくて、3、4個買われる方もいました」

と語った。大町さん曰く、経営や接客を通して経験した印象深い思い出はそれこそ数えきれないほどあるという。

また、会社を叔父から継いで4年目を迎え、自分なりの「ウンコちゃん」を考えた時、更にお店の幅を広げようと考え、カジュアルで見た目の良い家具の取り扱いも始めたという。

また、16年からはデザインから生産までを手掛けたオリジナルブランド「UNZ」を始めた。

「最初は『ウンズ』と呼んでいたんですけど、女性陣から『あまりにも直球過ぎる』とツッコミが入ったため、3日間悩んだ末、綴りはそのままで『アンズ』に読み方を変えました」

ビンテージブームが来ている家具業界に一石を投じられたら、とUNZにかける意気込みを語った。ちなみに、UNZはイタリア語で1を意味する「Un」と、アルファベットの最後の文字「Z」を組み合わせて、「最初から最後まで」という意味を込めているという。

目指すはまちのホットステーション

アウトレット以外の販売開始やオリジナルブランド創設など、事業を広げている「ウンコちゃん」だが、目指すのは親しみやく、気軽に来れるような場所で、自身はホテルマンの様に人と向き合って働きたいと語った。

「お店にはスーパーボールなどのウンコちゃんグッズも置いてあります。家具選びは子供に取っては退屈なことも多いので、子供も楽しく過ごせるように、と始めました。そうしたことを続けていると、子供だけで遊びに来るということもありました」

そういった子供たちが成長し、一人暮らしを始めるタイミングでウンコちゃんを訪れたこともあり、非常に嬉しかったという。

創業から14年を迎え、たまたま足を運んだ飲食店でも、「ウンコちゃんで買った」というお店があるなど、八尾市を中心に親しまれるようになったウンコちゃんだが、この先さらに「輪が広がれば」と、今後の展望を語った。

店の外観にも大々的にあしらわれている