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すらすら日本語を話す外国人タレントをテレビで見て、「あの人も頭の中では母国語で考えているんだよな」と不思議に思ったことのある人も多いのでは。たとえば、お笑いコンビ「パックンマックン」のパックンなんて、いったい頭の中がどうなっているんだろう?不思議な気持ちになりますよね。

そんな疑問に答えてもらうために、生まれてから13年間、アメリカやカナダなど海外で暮らし、現在は都内在住の日本人Aさん(女性/29歳)に話を聞いてみました。Aさんは日本語と英語のバイリンガルで、フランス語も初級程度なら話せるそうです。う~ん。うらやましい。


――さっそくですが、寝言は日本語ですか、それとも英語ですか?

「日本語ですよ、たぶん(笑)。『英語でしゃべってたよ』って誰にも指摘されたことありませんので」

――そうなんですか。ちょっと残念な気が……。頭の中では何語で考えているんですか?

「日本語です。幼いころは英語で教育を受けましたが、両親が日本人なので母国語は日本語なんです。読み書きは現地の日本語補習校で習いました」

――いろいろ大変そうですね。英語で話すときも頭の中は日本語で考えているんですか?

「それはありませんね。そもそも日本語で会話するときを考えてみても、いちいち頭の中で考えを巡らせて話すことは少ないですよね。どちらかというと反射的に会話している場合が多いはずです。英語で会話するときも同じで、相手の英語を聞いて、反射的に自分も英語で答えているという感覚なんです」

――なるほど。私は英語で会話しようとするとき、一度、頭の中で日本語に訳して、それからまた英語にするという作業をついついしてしまいます。そこらへんが、バイリンガルとそうでない人の差なのかもしれませんね。

「むしろ日本語よりは英語の方が簡単なので、反射的に会話するには適しているかもしれません」

――えっ? 英語って簡単なんですか?

「私にとってはそうですね。日本語は敬語とかがありますし、その場面場面に合わせた言葉を探すのに考え込んでしてしまうことがよくあります」

――なるほど。日本語と英語が混同してしまうことってないんですか?

「ほとんどないです。アメリカにいるときは自然に英語が出てきますし、日本にいるときはやっぱり日本語で会話します。話し相手や環境など、周りの文化によってスイッチが無意識に切り替わる感覚でしょうか」

――じゃあ、日本で英語を使うのは違和感があるんですか?

「ありますね。なんだか変な感じがします。あ、でもビックリしたときに『オー、ノー!』って自然に叫んじゃうことはありますよ(笑)。オーバーリアクション自体がアメリカの文化だからでしょうか」

――やっぱり文化によってスイッチが切り替わっているんですね。バイリンガルだと就職に有利な場合があったり、いろいろ得することもあると思うんですが、逆にバイリンガルであるがゆえに困ったという経験はありますか?

「日本語字幕の洋画を見るときでしょうか。基本的には英語のセリフを聞いているんですが、どうしても字幕も気になって……。『英語ではもっと面白いニュアンスなのに』と残念に思うこともあります。翻訳が悪いということではなく、直訳しても英語独特の文脈は伝わらないので仕方ないんですけど……。なかなか物語に集中できなくて、観賞したあとはどっと疲れてしまいます。あと、駅などで流れている英語のアナウンスも、ついつい発音が気になってしまうなんてこともありますね。いろいろ大変なんです」

中学から大学まで10年近くも英語の授業を受けたはずなのに、ちっとも話せない私にとってはあこがれのバイリンガル。でも、2カ国語を話せるがゆえの悩みもあるんですね。最後に「どうしたらバイリンガルになれますか」と聞いたところ、「やっぱり海外で暮らすのが一番!」だそうです。う~ん、道のりは険しそうです。

(宮崎智之/プレスラボ)

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