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 「弊社の悪口を言ってください」「空はなぜ青いと思います?」といった、就職活動での面接官による"キラークエスチョン"がネット上で注目を集めています。

 上記の話題を受け、4月5日配信の『ニコ論壇時評』では、漫画家の山田玲司氏が、企業で実際に面接官をしている友人との会話を交え、"キラークエスチョン"対策について語った。

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これって実をいうと、自分のイノベーションをアピールするチャンスじゃない?
山田:
 今回のように「人生とはなんですか?」みたいなキラークエスチョンを、ボンッってぶちこむ会社は、意外といい会社だとは思うんだよなあ。

乙君:
 そうだよね。キラークエスチョンだよね、これね。「空はなんで青いの?」みたいな。

山田:
 うんうん。知識よりも哲学を持っている人間のほうが、イノベーションの時代には必要ですよ。

 どういうことかって言うと、「答えは社員にだって分かんねーよ」っていうのが背景にある。だから、社内に居ない人材を補っていきたいと思って、新入社員を取るんだから、「お前がイノベーションを起こせるだけの何か根拠をくれよ」っていう意味だと思うのね。

 だからこれ、実を言うとすごくチャンスなんだよ。自分のイノベーションをアピールする。で、そこでさあ、「何が正解かなあ、あわわ」となっていると、「お前、自分で考えてねえなあ」ってのがバレるわけ。

乙君:
 なるほど。

山田:
 本当にね、2、3分で解っちゃうね、人ってね。実際のところ。知識をひけらかすのは誰だってできるんだけど、「哲学を語れるかどうか」って所。

 哲学書から導き出すわけではなくてさ、「自分が考えてこう思うんだ」ってのを言えるかどうかってを、「自分があるかどうか」っていうさ。

乙君:
 22歳の子が受けにきて、そんな「自分とは何か」なんて語れる?

山田:
 そもそも大学生って、70年代や60年代はそれをやっていたんだよな。いま「自分探し」とかするのってバカにされているけど。「自分を探す時間」だったんだよな。大学の4年間っていうのは。
 もしくはさ、大学に入れなかった時期とか、そういう浪人の時期とか、自分が何者でもない時期に、作るんだよ、それを。

 後は、「自分自身が考えている、っていう人が残っていく」っていうのは当たり前のことで。これは面接でそれを聞くのはむしろまともなことだよな、と思うんだよね。

乙君:
 ああ。こういう質問をどんどんやったほうがいいと、逆に。

実を言うと、面接に模範回答は無い
山田:
 小学館の面接官やってる友達に聞いたんだけど。正直、どういう基準で選んでいるかっていうとね、「コイツと一緒に働きたいかなあ」と思うかどうかなんだって。

 何でかというと、入ってくるわけだよ、そこで選んだやつが。それで、パッと見て、「スペック高い」「知識ある」とかいうよりも、「ちょっと面白いな、コイツ」とか。「コイツかわいいところあるな」とか。「コイツだったら分かるんじゃねえかな」みたいなところで選んでいるんだって。

 やっぱり本当に様々なんだよ。だから、実を言うと「解答がない」っていう。だって、「変な人と働きたい」人だっているわけだもんね。「なにも文句を言わずに働く人がいい」という人もいるしさ。

 だから、これどう答える? と、みんな一生懸命に模範解答を探そうとするけど、けっこう模範解答はないよな、っていうのはある。ただ、俺が考える「こういうことを言ったら比較的評価が上がるんじゃないかな」って思う答え方っていうのを、三つばかり考えました。

乙君:
 なるほど。出ました。それを待っていたんですよ。みんな、メモの用意を。

その1「10年前と10年後を語る」
山田:
 何かを聞かれたときに、「10年前だとこういう状態に社会があったんですが......」からはじめて、「10年後、いまこうなっていて、現実はこうじゃないですか」って言って「おそらく2027年の段階ではこうなっていると思うんです」っていう話し方ができるかどうかなの。

 ダラダラしゃべらないで、端的にパン、パン、パンと。これ、用意しておいたほうがいいと思うよ。なぜならば、過去を認識しているか。そして未来を予見しているかっていうことが一発で分かっちゃう。で、現状も認識している。これ、三つのアピールになるの。同時に。

乙君:
 たしかに、たしかに。おお。

山田:
 例えば、ゴジラの話で言うと、実相寺昭雄【※】の話していたじゃん。実相寺からの、庵野からの、そして今はこうなんです、って話ができると説得力あるじゃん。

※実相寺昭雄 日本の映画監督・脚本家
ウルトラマンシリーズを中心に日本の特撮映像を作り出した特撮の父と呼ばれる人物

山田:
 そこまで言ってはじめて「この人いろいろ考えているんだな」というのがあるから、10年前のこと「ぼんやりしとったんじゃあ。」じゃダメなんだよ。

一同:
 (笑)

乙君:
 いや、おれ採用しますけどね。

山田:
 俺も! 俺も好きだけど!(笑)。

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