日本大学(C)杉山真大 /wikipediaより
日刊サイゾー

 マスコミに愛された名物教授が、息を引き取った。

 刑法学者で日本大学名誉教授の板倉宏さんが4月28日、肺炎のため神奈川県内の病院で死去した。83歳だった。

 司法試験考査委員なども歴任し、事件の解説などで新聞やテレビのコメンテーターとしても活躍。世間的な知名度はイマイチかもしれないが、ことマスコミ業界では知らない人はいない“レジェンド”だった。

「取材でお世話になったマスコミ関係者は数知れず。新人記者は、まず板倉先生のコメント取りから始めたものです」(スポーツ紙記者)

 某弁護士事務所のように、ゲラチェックを毎度要求してくるところも多い中、板倉さんは書き手にすべてを委ねた。しかも基本的にはノーギャラというから恐れ入る。

「板倉さんからギャラの話をしてきたことは、一度もない。あれだけ新聞やテレビで重宝された人はいない。大事件が起きたときは、いつ取材の連絡が来てもいいように『一日中電話の前で正座している』とも言われました」(テレビ関係者)

 重宝された理由は、マスコミの要望を即座に理解してくれる“頭の柔らかさ”だった。前出スポーツ紙記者は「罪状を聞いて懲役○年、執行猶予○年と言ってくれるだけでなく、マスコミが『もしこうだったら……』と仮定の話をしても、明快に答えてくれた。それも見出しが取れるよう量刑を“盛ってくれる”ことも多かった。『困ったら板倉さんに聞け』というのは、この業界では常識でしたね」と回想する。

 だが、昨夏ごろから体調を崩し、取材に応じることができなくなっていたという。

「最後は昨年2月の清原和博氏の薬物事件のときだったでしょうか。初犯なのに『100%実刑ですね』と答えたのには、痺れました(笑)。こちらが『さすがに初犯では、あり得ないんじゃないですか?』と聞くと『彼を救うには、刑務所に入れた方がいいと思います』とキッパリ。法律家としてはアレですけど、情に厚い人だと思いました」(週刊誌記者)

 板倉さんの葬儀・告別式はゴールデンウィークの最中に営まれる。生前の人柄を偲び、大勢のマスコミ関係者が参列するだろう。

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