「BPO」公式サイトより
おたぽる

 放送における言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理の問題に対応する、第三者の機関・BPO(放送倫理・番組向上機構)。

 うなずけるご意見もあれば思わず捻ってしまうご意見、「なぜこれを取り上げたのだろう?」と、BPOの掲載採用基準が不思議に感じられるものまで、4月に寄せられたご意見がBPO公式サイトで今月も公開された。

 今月多かったのは、千葉県で起こった小学生女児殺害事件における、各局・情報番組の取材のあり方、そして北朝鮮を取り巻く緊迫した海外情勢を伝えた報道番組への意見。事件を取り扱う情報番組の取材姿勢を問う声は特に多かった。

 さて、おたぽるとして関連がありそうなご意見はというと、今月はまず次の一件。

「深夜のアニメ番組について、極めてわいせつな内容だった。アニメ作品のため、子どもが間違えて見てしまう可能性がある。この番組に限らず、あまりに性的に過激な内容のアニメ番組の放送は、テレビ局、制作者に考えを改めてもらい、控えてもらいたい」

“極めてわいせつ”な深夜アニメがあったのなら、なんで教えてくれなかったんだ! と思ってしまうが、4月に放送された深夜TVアニメで「わいせつ」だと評判になったアニメがあっただろうか。もちろん、女性キャラクターを艶っぽく、多少のサービスを交えて描いた作品はいくつかあったが、「これはエロい」と話題になるような作品には、寡聞にして心当たりがない(アニメファンの間で話題になっていない作品ということなのかもしれないが)。

 アニメファンたちも「何の作品だろ」と不思議がっているほど。ここまで具体性に欠け、抽象的でぼんやりとしたご意見では、せっかく掲載したところで、「控えてもらいたい」という訴えが制作者にもアニメファンにも届かないのではないだろうか。深夜アニメをつかまえて「子どもが間違えて見てしまう可能性がある」という指摘であることも、“今さら”感がすごい。BPOのご意見採用ご担当者様には、もっと精緻なご意見選びをお願いしたいものだ。

 なお、これは注目! というご意見があったので、少々長いご意見だが全文を掲載してみたい。

「清涼飲料水のCMで、トランペットを演奏している後ろから友人がぶつかってくる描写が、危険だからと放送が打ち切りになったというニュースを見た。確かに危険だが、最近はインターネット上で問題視されたからと、たやすく打ち切りや内容変更になる事例がよく見受けられる。打ち切りまではいかなくとも、クレームを気にするあまり『CM上の演出です』『このあとスタッフが美味しく頂きました』などといった興ざめなテロップを表示させざるを得ないこともある。番組やCM制作には莫大な費用がかかる。クレームを恐れ、打ち切りや内容変更を考えるのは、昨今の番組がつまらなくなっている理由にもつながっていると思う。負けずと毅然とした態度で制作をお願いしたい」

 トランペットの演奏者が「とても危険なので絶対マネをしないで」とSNS上で呼びかけたことを機に、公開していた動画を非公開とした、三ツ矢サイダーのCMを指してのご意見だろう。トランペットを演奏中に後ろから押すような行為は、唇や歯をトランペットの金具でぶつけてしまう危険性もあるとか。これはやむを得ない処置ではあったと思う。

 一方で、制作者目線に寄った、このご意見もわかるというか、個人的には同調したい部分があるという方も多いだろう。しかし、寄せられた幅広いご意見を紹介するというページとはいえ、普段はクレームを拾うほう、特に先述の「深夜のアニメ番組について、極めてわいせつな内容だった」というご意見を掲載している同じサイトで、急に真逆のことを主張されては、著しく説得力がないというか……なんと言うか、正直「お前が言うな!」と感じた次第だが、いかがだろうか。

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