恒星エネルギーを直接利用する架空構造物「ダイソン球」が実在するかもしれない。そんな驚きの発言が物理学者の口から飛び出した。このニュースのインパクトにいまいちピンとこない読者もいるかもしれないので付け加えると、「ダイソン球」とは、テレビ番組『新スタートレック』などのSF作品に度々登場する、宇宙コロニーの究極の姿として1960年代アメリカの物理学者フリーマン・ダイソンが提唱した仮説上の人工構造物のことである。

高度に発達した宇宙文明では、恒星の発する熱や光などのエネルギーを無駄なく活用するために、殻のように恒星を覆う巨大な球体を建造するだろうから、ダイソン球の実在は、すなわち高度な知性を持った宇宙人の存在も意味しているのだ。

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■科学者「ダイソン球はある!」

 2015年、地球から「はくちょう座」方向に1480光年離れた地点に位置する奇妙な連星が発見された。これがなぜ奇妙かというと、2011年~2013年にかけて探査機ケプラーが観測していたデータにより、不規則かつ大幅な減光が確認されたからだ。

 理論上、「KIC 8462852」の目の前を木星クラスの惑星が横切ったとしても1%程度の減光しか見込めないというが、実際は一度の減光で15%~22%も暗くなっていたという。また、彗星の通過によって、大幅な減光を説明しようとすると、直径200km程度の彗星がおよそ64万8000個も一度に通過しなければならず、現実的にあり得ないそうだ。

 この度、英紙「Daily Mail」(5月17日付)が、「KIC 8462852」の謎に一石を投じるユニークな論文を紹介している。論文投稿者は、ジョージア(グルジア)・トビリシ大学のザザ・マスマノフ教授。マスマノフ教授は、人類よりも遥かに進歩した地球外生命体が「KIC 8462852」のディスク上の「ダイソン球(円盤?)」を設置していることが減光の原因だというのだ。


■「ダイソン球の観測は簡単」宇宙人はやはり存在する?

「ダイソン球」は、その文明の発達レベルによって、惑星(第1段階)、恒星系(第2段階)、銀河系(第3段階)のエネルギーを利用すると考えられている。今回の場合、「KIC 8462852」は恒星であるから、存在するとすれば、第2段階の「ダイソン球」ということになる。

これまでダイソン球が観測されたことはないが、マスマノフ教授によると、ダイソン球の観測はそれほど難しくなく、光学赤外線望遠鏡で観測できるはずだという。そのため、世界中の天文学者は今すぐ太陽系に存在する64個のパルサー(パルス状の可視光線、電波、X線を発生する天体=ダイソン球が設置されていそうな天体)を調査すべきだとも。

しかし、人類を遥かに凌駕する文明でなければ、ダイソン球を建造することは事実上不可能だ。ダイソン球が観測された場合、同時に、高度な知性を持つ宇宙人の存在も認めなければならない。一刻もはやくダイソン球や宇宙人が発見されて欲しい気持ちもあるが、それほど高度な文明の存在は恐ろしくもある。いずれにしろ、今は観測結果を粛々と待つしかない。


※イメージ画像は、「Wikipedia」より

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