日本の排他的経済水域にある日本海の好漁場で、北朝鮮船籍とみられる漁船による違法操業が問題になっている。写真は日本海の漁場「大和堆」で撮影された北朝鮮船籍とみられる漁船=6月15日(山形県漁協提供)【時事通信社】
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 日本の排他的経済水域(EEZ)にある日本海の好漁場で、北朝鮮船籍とみられる漁船による違法操業が問題になっている。日本では禁止されている漁法で大量にイカを捕り、日本のイカ釣り船が漁場を追われている。今月7日には水産庁の漁業取締船が小銃を向けられる事案も発生。漁業関係者からは不満とともに、政府に対策を求める声が強まっている。

 「日本の漁場が乗っ取られている」。山形県酒田市のイカ釣り漁船「第85若潮丸」船長、本間健さん(61)が怒りをあらわにする。若潮丸は13隻から成るイカ釣り船団に所属。30年以上通い続けてきた日本海の好漁場「大和堆(やまとたい)」で6月下旬、北朝鮮船籍とみられる不審な漁船約10隻を発見した。

 数トン程度の黒っぽい小型船は、日本の操業許可を得た韓国船籍の漁船などと違って許可番号を掲げていなかった。夜は無灯火で航行し、汽笛による警告も無視。海洋資源保護のため禁止されている流し網漁で、大量のイカを一網打尽にしていた。流し網がスクリューに絡まる恐れがあるため、船団は不審船を避けながら漁を続けたが、日ごとに数が増えていった。

 不審船が100隻を超えた7月初旬、船団は大和堆を諦め、北海道沖に漁場を移した。同様に大和堆を追われた石川県や青森県の船の姿もあった。イカの漁場は徐々に移動するが、この時期の北海道沖は小ぶりのイカが多いという。若潮丸の漁獲量は例年の3分の1程度に落ち込んだ。

 北朝鮮の漁船とみられる不審船は数年前から現れていたが、流し網漁が目立つようになったのは今年からという。

 山形県漁協の本間昭志組合長(69)は「イカがいるのに捕れないのは死活問題だ」と語気を強める。イカ漁は来年2月ごろまで続く。「われわれだけではどうしようもない。国が動かなければ」と話し、他県の漁協などと協力して政府への働き掛けを強める考えを示した。 

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