輝をはたき込みで降した白鵬(左)=愛知県体育館で2017年7月17日、兵藤公治撮影
毎日新聞

 ◇大相撲名古屋場所第9日(17日)

 1045勝目を挙げた白鵬は「早々と達成してほっとしている」と喜んだ。魁皇の持つ通算勝ち星数の記録更新に注目が集まるが、それにも増して重きを置いていたのが、31回の幕内優勝を果たした千代の富士が残した数字だった。

 この日は、「千代の富士の速い立ち合いを意識した」と白鵬。左で張って初顔となる輝の動きを止めた。突き放すと、相手の足がそろったところをはたいて土俵に沈めた。

 名古屋入り後の出稽古(げいこ)では、千代の富士が師匠を務めた九重部屋を訪れた。白鵬は「ここで汗を流すことに意味がある」と説明する。体が小さかった序二段や三段目の時に腰を痛めた際には、体重が120キロ台だった千代の富士の現役時代の映像を熱心に研究した。白鵬にとって千代の富士は、特別な存在だった。

 四つからの豪快な投げをまねして、いくつもの白星を積み重ねてきた。2010年に千代の富士の53連勝の記録を超えた時は「まだまだ(先が)ある」と励ましの言葉をかけられ、63連勝まで伸ばした。恩返しの意味も込めて、出稽古で関取衆に胸を貸した。

 千代の富士より3歳若い32歳で、その通算勝利数に追いついた。「よくやった、あと二つ、三つと言ってもらえるかな」と白鵬。昨年7月に他界した偉大な先輩をしのんだ。【藤田健志】

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