日本英語教師として働いていたニュージーランド人、ケリー・サベジさん(27)が神奈川県大和市の精病院で身体拘束を受けたあと、心臓発作で亡くなったことを受けて、ケリーさんのマーサ・サベジさん(60)や32)らが7月19日東京が関の厚生労働記者クラブ記者会見を開き、「身体拘束はやるべきでない」と訴えた。

ケリーさんはもともと精の病を患っていたが、今年4月下旬に症状が悪化して、神奈川県大和市にある精病院に入院した。その際、や肩、両手両足をベッド縛り付ける器具で、10日間にわたり身体拘束された。ケリーさんは心臓発作を起こして心肺停止になり、市民病院に搬送されたが、その後死亡が確認された。

遺族側は、身体拘束による「深部静脈血栓症」が死因だと考えて、病院側に診療記録を開するようめている。のマーサさんは会見で「ケリーが受けた拘束について、理解ができません。拘束されている姿にショックを受けました。本当にひどいと思いました。まるで中世映画を見ているかのようでした」と振り返った。

によると、ケリーさんは入院する前に暴れていたが、病院では落ち着いていたことから、『拘束する必要はないのでは』と病院側に伝えていたという。は「精神病患者の人権を著しく侵してよいのでしょうか。こんな悲劇が今後二度と起きないように願ってやみません」とを震わせた。現段階で、病院に対して法的措置をとる予定はないが、診療記録の開等がない場合には検討するという。

「身体拘束ルーチンでおこなう病院が多くなっている」

この日、専門弁護士ジャーナリスト、当事者その家族でつくる「精科医療の身体拘束を考える会」が発足した。呼びかけ人の一人で、会見に同席した杏林大学保健学部教授長谷川夫氏によると、精病院での身体拘束2014年までの10年で倍増している。また、長谷川氏が11の病院を調べたところ、身体拘束日数は96日にのぼったという。

長谷川氏は、ケリーさんのようなケースを「氷山の一角」と考えている。身体拘束が増えている背景について、長谷川氏は「精科救急病棟が増えている中で、入院すると『とりあえず身体拘束からはじめる』という思想がある。身体拘束ルーチンでおこなっている病院が多くなってきているのではないか」と摘した。

長谷川氏は「不必要な身体拘束は即刻やめるべきだ。治療にいいわけがない。本当にやむを得ない場合にかぎって、実施すべきであって、かぎりなくゼロに近づけるべきだ」「実施過程を録画して、あとから検証できるようにすべき」とした。「考える会」は今後、不必要な身体拘束をやめるように積極的に働きかけていくという。

弁護士ドットコムニュース

精神科病院で身体拘束された外国人が死亡…遺族ら「不必要な拘束やめるべき」と訴え