キャリコネ

多様な性自認のあり方について理解が広がり始める中、一般社団法人日本セクシュアルマイノリティ協会が7月から始めた「LGBT検定」に注目が集まっている。検定料の高さから「営利目的ではないのか」との疑念がネット上で噴出した。

「テキスト代や場所代」込み 目的は「『答え』は出ないと理解してもらうこと」

協会ホームページによると、検定初級は「『セクシュアルマイノリティの様々な事例や意見はあるが、"答えが出ないことが答えである"』という多様性を伝えられる内容」で、LGBTの基本的な名称や用語、これまでの歴史や日本での現状、サポートをする上での注意点について、ケースを通して学ぶという。

2時間の講座を3回受け、確認テストに合格した人には修了証書とバッジが渡される。初級を修了するためにかかる費用は3万9800円(税込4万2984円)と安くはない。

同協会の代表理事はキャリコネニュースの取材に対し、検定料は「講師料だけはなく、テキスト代や場所代などの費用もここに当てはまり、単純にテストを受けてもらう為の金額ではありません」と説明する。他団体のLGBTの理解を促す研修の中には30万円以上するものもあると引き合いに出し、

「無料や安価すぎる価格はかえってセクシュアルマイノリティーの理解の価値を落としてしまうことを危惧して、個人事業主の方でも受けられるような個人単位の価格設定をしたつもりです」

とも語った。

講座内容は、「知識が書かれた本だけでは学びきれない内容であったり、本を大量に読まなくても基本的な考え方を学べる機会となったりすることを期待」しているという。7月に実施した講座では、仕事で当事者と会う人や、当事者である友人のために知識や考え方の整理をしたいといった目的の人から申し込みがあったそうだ。

ネットでは、検定試験の啓蒙効果を期待する一方、わざわざ試験をすることでLGBTが異質で特殊なものだというイメージを生みかねないと危惧する声もあったが、物事を理解したり傾向を知るために勉強することは不自然なことだとは考えていないと説明する。

「多様な性の基本的な考え方はあるけれど、大切な事は一人一人違う人間なので、必ずしも『答え』はでないということを理解してもらうことをこの検定講座では大切にしています」

アイディアヒューマンサポートサービスとの関連は双方否定

同協会は、心理カウンセリング職の養成を行うアイディアヒューマンサポートサービスの本社ビル(東京都・渋谷区)に住所を置いている。そのため、営利目的の検定ではないかとの見方も出ていたが、関連については双方否定した。

同社は協会に無償で場所を貸している他、当事者の無料カウンセリング、講座会場の提供、協会関係者不在時の電話対応などを行っているが、これは同社が行うマイノリティー支援活動の一環であり、協会と資本関係などは一切ないと言う。

アイディアヒューマンサポートサービスの広報担当者も

「弊社では、他にも東日本大震災の被災地の心のケア相談電話など、地方自治体からの委託でお受けしていたりもしますので、とりわけ日本セクシュアルマイノリティ協会とだけが、このような関係性でないことは、明確にお伝えさせていただきます」

と明言した。協会代表理事は

「今回は、内容を正しく伝えられないまま、価格だけが一人歩きして、たくさんの誤解を招いた一面はありましたが、多くの人たちが、LGBTを理解するにはどうすればよいかと言う議論の一端になれればと思っております」

と、今回の騒動を振り返った。

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