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『週刊プレイボーイ』本誌で「モーリー・ロバートソンの挑発的ニッポン革命計画」を連載中の国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソンが、日本の性表現や性産業に関する海外からの指摘について語る!

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米国務省が6月末に発表した「世界の人身売買をめぐる2017年版報告書」では、各国の人身売買被害者保護の取り組みが4段階で格付けされています。

日本はG7諸国の中で唯一、最上位評価を受けられず(13年連続で上から2番目のランク)、「強制労働や売春に関わる人身売買の送り先であり、供給元であり、経由地でもある」と批判されています。

また今回は、初めて報告書にAV出演強要問題が取り上げられ、いわゆるJKビジネスについてもイヴァンカ・トランプ大統領補佐官が「売春の温床」と指摘。今後、日本の性文化や性産業に対する目はますます厳しくなっていくでしょう。

この評価に対し、日本では「論点がズレている」「妙な活動家や団体にそそのかされている」「日本は性犯罪が少ない、言いがかりだ」…といった声も目立ちます。それぞれ一理あるといえばありますが、気になるのは報告書の指摘に対し、表舞台で堂々と反論できるようなロジックがあまり見当たらないことです。

確かに、日本の性表現や性産業に関する海外からの指摘は、歪(ゆが)められたデータや特定の政治思想によって誘導されることがしばしばあります。例えば2015年、国連特別報告者が「日本の女子生徒の30%が援助交際の経験者」と発言した際は、その数字があまりにデタラメだと話題になりました(その後「13%」に訂正されたもののやはり根拠はなく、発言は事実上撤回)。

ただ、そうした個々の矛盾や事実誤認をいいことに「問題はない」「欧米の価値観を持ち込むな」と強弁を振るい続けることが今後もできるでしょうか。

グローバル化が加速する現在、国際社会では国境をまたいだ未成年の誘拐と人身売買、レイプと強制売春が大問題になっており、欧米の先進国はそれに否応(いやおう)なく向き合っています。日本も明らかにこうした問題の当事国のひとつであるにもかかわらず、なぜ「われ関せず」で独自の性文化を楽しんでいるのか――。これが欧米からの指摘の本質です。

秋葉原に行けば女児のラブドールが当たり前のように売られ、女子高生の制服を着た女のコたちが男性客と腕を組んで歩いている。多くの人が目を覆いたくなるようなアニメのポスターも堂々と貼られている。

テレビをつければ、ティーンのグループアイドルが確信犯的にパンチラ寸前の振り付けで歌い踊る。AV出演強要問題にしても「ほとんどの場合は本人の自由意志だ」と、多くの人がさほど問題意識を持つことなく“見て見ぬふり”を通す…。

この“見て見ぬふり”という日本人やメディアの態度が、欧米人にとって最も理解し難いのです。彼らの目には「日本では公の場で堂々と未成年の性が搾取されている」としか映らない。そうでないなら、きちんと論を立てて反論してみろ――と。

僕個人は、日本のエロ文化はできる限り防衛すべきだし、基本的にセクシャリティは奔放でいいと思っています。ただし当然、そのためにこそ犯罪を許してはならず、「文化」のために誰かが不本意な思いをしてもいけない。

少女アイドルもJKビジネスも、性搾取ではないというなら堂々と論を立てて主張すべきです。うやむやにやり過ごそうとし続ければ、いつか“黒船”が来てすべてお取り壊しになってしまうでしょう。

●Morley Robertson(モーリー・ロバートソン)










1963年生まれ、米ニューヨーク出身。国際ジャーナリスト、ミュージシャン、ラジオDJなど多方面で活躍。フジテレビ系報道番組『ユアタイム』(月~金曜深夜)にニュースコンシェルジュとしてレギュラー出演中。ほかにレギュラーは『ニュースザップ』(BSスカパー!)、『Morley Robertson Show』(block.fm)など

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