女王アリが雄と交尾した後、大量の精子を10年以上も体内に蓄えられる謎を解く上で、手掛かりとなる12個の遺伝子が特定された。甲南大(神戸市)や基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)、琉球大などの研究チームが13日までに英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。

 研究チームは今後、この遺伝子からたんぱく質を合成し、精子と一緒に培養する実験などを行って機能を解明する方針。

 畜産分野では牛の精子が凍結保存され、人の不妊治療でも精子が凍結保存されているが、コストがかかる。甲南大の後藤彩子講師は「女王アリが精子を常温で蓄える仕組みを解明できれば、家畜や人の精子の保存方法を改良できるかもしれない」と話している。

 アリの女王は10年以上長生きするが、羽化から一定期間しか交尾せず、その後は「受精嚢(のう)」と呼ばれる袋状の器官に蓄えた精子を産卵時に出して使う。

 後藤講師らは国内で多数捕獲できるキイロシリアゲアリの女王について、受精嚢で働く遺伝子を網羅的に解析し、受精嚢だけで働いている遺伝子を12個特定した。 

全文を表示