「ユーチューバー」の存在が認識されて久しい。今年4月にソニー生命保険が発表した調査では、中学生の将来なりたい職業として、男子の3位、女子の10位に名前が挙がるなど、子どもたちの憧れも増す一方だ。

こうした中、ユーチューバー教育プログラムなるものも登場している。8月23日の報道番組「ZERO」(日テレ系)で紹介され、ネット上では驚きや戸惑いが聞かれている。

「漫画家やゲームクリエイターの養成講座が立ち上がった時と同じ」との声も

運営するのは、教育事業を手掛けるFULMAだ。今年3月に「YouTuber Academy」というプログラムを始め、これまで述べ100人程度の小学生たちに教えてきた。単発の講座として実施し、費用は一律3240円だ。約2時間の受講の中で、実際に動画を作成しながら、注目される動画作りのポイントを学んでいく。完成した作品は「限定公開」の機能を使い、実際にユーチューブにアップもされる。

番組では、8月上旬に行われたプログラムの様子が放送されていた。11人の小学生が、おもちゃの紹介動画の作成を通し、リアクションの取り方や、クリックされるサムネイル画像の作り方について、講師からアドバイスを受けていた。表情だけでなく、体の動きや声など、全身を使って感情を表現することが大事なのだそうだ。

参加した小学6年生の女子は、「自分のやっていることをみんなに知って欲しい。YouTubeなどの動画を使って知らせていきたい」と目を輝かせる。見学していた保護者からも「編集技術など、こういう場で基礎的なことを学び、実際に体験できるのがすごくいい」と好評だった。

しかし、ネットでは反応が二分した。サービスを知った人から「日本終わったな」「未来が心配だ」という否定的な感想が上がる一方、「その昔、マンガ家やゲームクリエイターの養成講座が立ち上がったときと同じなのでは?」など、憧れの対象が時代と共に変化しただけ、という肯定的な見方も出ていた。

ネットリテラシーについて学ぶ時間も確保 「お金を稼ぐのはゴールではない」

サービスを運営するFULMA代表の齊藤涼太郎さんは、キャリコネニュースの取材に対し、同サービスは「ユーチューバーとしてお金を稼ぐ点はゴールにしていない」と話す。効果的な伝え方や表現方法に関する学びはプレゼンテーション能力の育成に繋がるため、動画投稿以外でも役に立つと考えているそうだ。

プログラムでは毎回、個人情報の取り扱いなどのネットリテラシーに関しても学ぶ。

「『動画内で自分の小学校の名前を言って良い?』であったり、『Googleアカウントは何歳から作れるでしょう?』であったり、見る側から伝える側になるにあたって特に注意したほうがよいことをクイズ形式で学んでいます。線路など危ない場所で動画を撮ってはいけないことや、撮影の際に背景に気をつけなければならないことなども学びます」

新しい習い事とあって戸惑う保護者もいるが、最終的には「やっぱり子どもの好きなことを応援してあげたい」と協力的になる親が多いという。

講師の中にユーチューバーはいないが、教える内容は、ユーチューバーの著書や動画を分析して決めていると明かした。同社は今後、サービスの提供対象年齢を広げるほか、企画の立て方や発想を鍛える講座の開設も検討している。