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 キャバ嬢とホストの高齢化が止まらない。どうやら「若者のキャバクラ離れ」が働き手側にも広がっているという。なぜ、水商売で働く若者は激減したのか? 歌舞伎町で10年以上ホストクラブの業務に携わってきたY氏(34歳)に話を聞いた。

「僕達が現役だった2000年代初頭って、今ほど学歴社会ではなかったんですよ。高卒や高校中退の人もたくさんいましたし、そういう若者が一攫千金を狙ってホストになるために歌舞伎町に出てきていました。当時はメディアで、ホスト特集が組まれるほど人気でしたし、一晩でウン千万稼ぐとか、札束で作ったネックレスとか『歌舞伎町ドリーム』がありましたからね」

 若者が水商売をすぐに辞めてしまう理由について、Y氏はこう語る。

「ホストブームが過ぎたというのもあるんでしょうけど、今は現実的な考えをする子が非常に多いです。大変な思いをして博打を打って大金を稼ぐよりも、そこそこ楽に稼いで就職すればいい、という考えなので長続きしません。僕達の時代に比べると、明らかに仕事に対しての熱意は低いですね。あとは一昔前のダークなイメージが強いのか、若い人自体が集まりにくいですね。求人と明らかに違う日給だったり、吐くまで飲まされるとか、先輩ホストによるイジメとか。今はそんなことしたら、すぐSNSで拡散されてしまいますから(笑)。そうならないように、こちらも働きやすい環境を作っていますけどね。営業中のスーツをやめて私服にしたり、条件が揃えば日給1万円出すこともあります。それでも人が足りないので、ホストの給料は昔に比べて大分上がりました。また、店の情報をSNS等で流さないという契約書も書かせるようにしています。昔、業務態度を何度注意しても改善しないホストをクビにしたら、個人サイトで店の裏情報を公開されたことがありましたね。掲示板などと違い個人サイトは削除依頼ができないので、潜在的ですがかなりダメージを受けました」

 ホストの高齢化によって、将来のホストクラブはこう変わるとY氏は考察する。

「今の私服などのカジュアルさはなくなり、昔のスーツ時代へ回帰してゆくと思います。キャリアの長い人員が増えて、ホストのプロ化が進むと思いますね。店舗数が多いだけの大手グループは減ってゆき、ホストの質を重視した店だけ残るので、老舗店が増えると思います」

 高齢化が進んでいるのはホストだけではない。キャバクラ嬢の高齢化について、関係者はこう話す。

「歌舞伎町、六本木、大阪のミナミといった都市部以外では、若いキャバ嬢が入店せず深刻な人手不足に陥っています。以前は大勢いた女子大生のアルバイトも、日テレ女子アナウンサーの内定取り消し騒動や、就職先にマイナンバーで学生時代のアルバイトがバレるんではないか? という噂もあり、働いていた子達も含め一気にいなくなりましたね。最近面接に来る子は、シングルマザーや少し年配の人ばかりで、キャバクラを閉めて、熟女キャバクラにする店も多いです。最近は手軽な派遣キャバ嬢が増えていますが、本職キャバ嬢がいなくなったら、店は潰れますからね。五輪に向けた風営法改正で、昔よりもオープンするのが難しいと言われていますし、このままでは将来、地方都市からキャバクラは消えるのでは、という声もあります」

 数年前まで「女子高生のなりたい職業ランキング」で上位にランクインしていたキャバ嬢。2017年版は公務員、看護師、保育士などの安定した職業が人気で、キャバ嬢はランク外だった。これも、現実的な考えを持つ若者達が増えた時代の流れなのだろうか。

【カワノアユミ】
国内外の風俗産業を得意分野とする元キャバ嬢ライター。参加した書籍に『旅の賢人たちが作った最強ナビ』シリーズがある。東京都出身。

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