ナリナリドットコム

サブカルチャー好きの聖地として知られる中野ブロードウェイ。その一角にある「墓場の画廊」で、横山光輝「三国志」45周年記念企画「げえっvsむむむ with美女図鑑」が開催されている。

◆ニッチ過ぎる横山三国志グッズがずらり

横山光輝氏によるマンガ「三国志」の作中に登場する名台詞「げえっ」と「むむむ」にだけスポットをあてたという今回の催し。画廊に辿り着くと、入口からすでに“ネタ”感がぷんぷんに漂っているが、この企画は光プロダクション完全お墨付きだ。

会場でまず出迎えてくれるのは、呉の猛将・甘寧が城壁を昇って「甘寧一番乗り!」と叫んだシーンの顔ハメ看板。このシーンは、横山三国志の甘寧における屈指のネタ場面であろう。看板に顔を出すだけでだれでも「甘寧一番乗り」ができるのだ。会期後半には新しいパネルも登場予定とのこと。詳細は同展のTwitter(@geevsmumumu)で発表されるそうだ。

横山三国志の単行本や、アニメのビデオとともに「君と余だ」と書かれた手作りうちわ。アイドルコンサートなどで見かけるアレである。曹操ファン向けなのだろうか。奥には「必殺関羽」の旗も見える。

ショーケースの中にはフィギュアも展示されていた。赤壁前夜に藁人形で矢を調達した孔明の姿や、関羽に降伏を勧める張遼の姿もある。

お店の中に入ると、横山三国志関連のグッズがズラリと並んでいる。こんなにたくさん横山三国志のグッズがあるなんて!と驚愕せずにはいられない。しかも、通常のキャラクターグッズとは一線を画す「様子のおかしいグッズ」ばかりである。



まず気になったのが、荒れ狂う川を鎮めるため人間の首を捧げていた現地の風習を孔明がやめさせ、代わりにつくった「饅頭(まんとう)」だ。饅頭は小麦粉で練って作った皮に羊や豚などの肉を詰め込んだもので、肉まんの起源とも言われている。人身御供の代わりに川に沈められるのだから、饅頭としてもあまり嬉しそうな顔はしていない。

饅頭がたくさん並ぶとそれなりに不気味だ。川を鎮めるには49個必要なので仕方ない。この饅頭はストラップ付きマスコットで、本場中国製だそうである。1個だけなら結構かわいいデザインだと思う。

大きく展示されていたのは、魯粛のタオル。周瑜に脅かされてヘナヘナしてしまったシーンであろう。横山三国志だとお人よしな場面ばかりが目立つが、狂児と呼ばれるほど荒々しく、大戦略家だった人物。本来なら孔明を怒鳴りつけるくらいしてもおかしくないかも? とはいえ、お人よしな魯粛が好き!という方も多いはず。そんな方にはオススメグッズだ。

ネタにされることも多く、印象深い「ああっ なにをなさいます」のひとコマが描かれたハンドタオル。このタオルを人に貸したら程よく誤解されることだろう。

外出先でスマートフォンをよく使うという方には、オリジナルのカード型モバイルバッテリーも販売されている。全3種類だそうだが、目を引いたのは霊帝のバッテリー。ものすごく辛い状態にあることがたった6文字でよくわかる「とても つらい」のコマが描かれたバッテリーだ。スマホのバッテリーがなくなって「とても つらい」状況になった時には、心強い味方になってくれるはず。

スマホ関連グッズでは赤兎馬スマホケースもあった。赤兎馬はやはりカッコイイ。装着するだけで戦場では100%逃げ切れるような気がしてくる。

関羽と張飛のスカジャンも発見。思わず張飛も「うほっ」といって喜んでしまう。横山氏のイラストは、服にあると異様に目立つことが判明。

まさかの南蛮武将「董荼奴(とうとぬ)」のトートバッグも。同じ三洞元帥の阿会喃でも、金環三結でもなく、董荼奴。ずいぶんな出世ぶりである(トートヌのトートが商品名)。孔明から褒美をもらったせいか、トートバックデザインに抜てきされたからか、良い笑顔をしている。よく見ると、トートバッグには苦虫をかみつぶしたような表情をした孟獲デザインの缶バッジがついている。トートバッグを買うと付いてくるオマケのようだ。もう少し董荼奴は焦った方が良い。

飲み物を楽しめるマグカップも売っていた。曹操をからかい尽くした仙人の左慈がくれた(そして半分に割った)不老長寿水のデザインだ。水が二つになることはないはず。

そして劉備の母が、息子が父祖伝来の剣を他人にあげてまで手に入れたお茶を(叱咤のため)「チャッポー(ン)」と川に投げ捨てたシーンのカップ。これでお茶を飲むのはとても気まずい。

渇いた袁術に水をあげなかった人。「さっきまで水はあったがね」から続くセリフに深い深い怨恨を感じられた意義深いシーンだ。このカップなら、水のありがたみがよくわかるかもしれない。政治に関わる人なら民衆の気持ちを考えたくなる。

イベントオリジナルスペシャルグッズのデザインは、合肥組と南蛮王の兄弟たちだ。職場の同僚とも仲良く、兄弟同士も仲良くしよう。



お酒コーナーでは「桃園の誓い」が販売されていた。誰かと義兄弟になりたい時には必須アイテムと言えるだろう。お母さんの用意してくれた美味しい料理があれば、なおいうことなしだ。

漢字の勉強になるのは、三国志学習ドリル「答教」だ。横山三国志ファンであればセリフは思い出せるだろうが、漢字を正確に、となると話は別だ。また人物の後ろ姿から名前を当てるなど、かなり難易度が高くなっている。

まだまだたくさんのグッズが並べられていた。今回のデザインでは、「墓場の画廊らしさ」も大切な要素であるため、コアな方向に振り切られたという。ネット上でファンからの意見も取り入れたという徹底ぶりなので、どのグッズも思わずニヤリとしてしまうものばかりだ。


◆「げぇっ 関羽」でおなじみ。あのセリフは何回でてきた?

ひとしきりグッズを眺めてから壁を見ると、そこにはたくさんの「むむむ」「げえっ」のシーンが貼られていた。作中の「げえっ」「むむむ」を全て数えて展示しているだけでもすごいが、結果をグラフにしたり、コメントや「むむむ度」がついていたり、楽しく見る工夫が凝らされている。

よく言っているイメージはあるが、実際に並べてみると「げぇっ」「むむむ」の数は圧巻である。それぞれ何回出てきたのか、ぜひ会場で確かめてみてほしい。

イベントタイトルにもあるように、「美女図鑑」もテーマ。墓場の画廊がセレクトした、横山三国志の美女たちの姿もあった。芙蓉姫に貂蝉や小喬・大喬の姉妹、弓腰姫といったメジャーどころの中に、「腰元」「愛い奴」「南蛮美女兵士」「踊っている女性」といった女性たちまでピックアップしてある。筆者も横山三国志の大ファンだが「踊っている女性」にいたっては……全く思い出せない。

「げえっvsむむむ with美女図鑑」は10月5日(木)から開催されているが、すでにかなりの三国志ファンが来場している。連休を経て、人気の商品は再入荷待ちという状況だそうだ。

来場する人の中には20代〜30代の女性も多かったそうで、横山三国志ファン層の幅広さがうかがえる。コアなデザインや企画が目立つが、その一方、某有名宝飾ブランドで職人をされてたという方がシルバーリング、シルバーネックレスを作成していたり、秋田の伝統工芸川連漆器による「義兄弟天盃セット」が販売されたり、創業117年を超える老舗海苔屋ともコラボしたり(『甘寧一番のり』)と中身の良さにもこだわった作品も多い。

横山三国志ファンであれば、ついついグッズを買いたくなってしまうことうけあいの空間だ。「見て楽しい」「読んで楽しい」「買って楽しい」時間を過ごしてほしい。

※この記事は、情報サイト「イベニア」編集部が取材・執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。


☆「げえっvsむむむ with美女図鑑」

会期:2017年10/5(木)〜10/31(火)
時間:12:00〜20:00
会場:墓場の画廊
住所:東京都中野区中野5-52-15中野ブロードウェイ3F
入場料:無料

全文を表示