インターネットには、偽不明な情報があふれている。臆測や当てずっぽうでありながら、断定口調でられるウワサたち。しかも、それがバズったり“祭り”へ昇するケースしくなく、始末が悪い。

 では、どんなことが起こるとネットは沸くのだろう? よくあるのは、テレビ番組で芸人がイニシャルトークを行った時。「昨日の番組で芸人が“嫌いな女優”に挙げていた○○って、あの人のことをしているんじゃない?」「あのタレントが言ってた“性格の悪い会者”って、きっとアイツのことだよ」と、ネット民の喧々囂々は止まらず。松本人志の言う「ネットが荒れる」とは、まさにこのことだ。


山里の抱える不満が“”の弾丸となり、特定の芸人を撃つ

 昨今、「炎上芸人」なる呼び名が井で定着しつつある。ウーマンラッシュアワー村本大輔キングコング西野ドランクドラゴン鈴木拓などが、ここに分類されるだろうか。

 とはいっても、彼らはバカじゃない。「不人気人気のうち」と言わんばかりに、あえて炎上を狙って発言したり、ツイートしたり、ブログを書いたり。そう考えると、彼らとネットの相互関係は、いい具合に出来上がっているのかもしれない。

 そういえば、かつては南海キャンディーズ山里亮太も「炎上芸人」のに収まっていた。そんな彼とマツコ・デラックスによる特番『出しバラエティ 山里マツコ・デトックス』(TBS系)が10月3日深夜に放送された。

 この番組は、山里が日々思った嫌なことを書きためている「出し日記帳」を、マツコと女性ゲストらに配布。日記帳の中で特に気になる項彼女たちに選ばせ、その項山里が自身の口で詳細に吐くという内容である。

 それにしても、日記の内容が痛すぎた。の濃度もさることながら、明らか山里特定の人物を的に憤っていることが丸わかりなのだ。

 何しろ、ゲスト出演したたか子は、番組中に“答え”にたどり着いてしまっている。「ママ代表気取りでペラペラ子育ての話するだけで“カリスマ主婦感”を出す女」という項について、山里は「元芸人さん」とヒントを提示。続けて「勝手に代表みたいな顔して、ほかのママたちに『みんな頑りすぎなくていいんやで』みたいな空気を出し、『今、すげえ面漫談しましたよ』という感じを出してるけど、文字に起こしてみたら、いろんなママがやってる普通のことをやってるだけだぜ!」と、まくし立てる。

 この“吐き”を聞いたは、「いいんやで」というワードに反応。そして、手でメガネの形を作って、対だと思わしき人物を山里に確認するのだ。結果、どうもこれは正解のようで「一人、とんでもない敏腕な刑事がいますね」と、山里は暗に認めてしまっている。


山里だから実現できた“21世紀のコールアンドレポンス”

 上記以外にも山里は露を吐いており、聞いてるほうは詮索が止まらなくなってしまう。例えば、以下だ。

「私、ブスだから」と言う女優

北川景子さんとか世の中には綺麗な女優さんがいて、ああいう方々はルックスもいいからお仕事をいただいているかもしれませんけど、『私、ブスだから』と言うことによって『実だけでやってるんですよ』と思わせようと“ウソ謙遜”する人が立つんですよ。で、確かにムチクチャきれいではない。でも、もともとはルックスを武器に芸界入りした劣化して今になってるだけであって、そのまま残ってたからそんなにきれいじゃなくても女優でいるのに、まるでその頃がなかったかのように『私、才だけで来ました』みたいに言う傲慢な感じが、憎い!」(山里

ヒルナンデス!』で、やる気ないモデル

「一番タチ悪いのは『最近、モデルのウエイトが大きくなってきたな』みたいなら。基本的にスタイリストさんやメイクさんと、だらだらしゃべってるんですよ。で、“3色ショッピング”で負けて『ざんね~ん!』って言った時に、『は~い』ってなんの感情も出さない。で、こっちが『何着たいですか?』って質問しても、『いや、特にないですね』って具体的な答えをくれない。てめえ、さっきロケの中で具をオーダーしてる時、随分具体的にしゃべれてたじゃねえか! 具のオーダーを具体的にしゃべれて、ファッションをしゃべれないんだったらモデルやめろ、この野郎!」(山里

ファッションショーになると冷たいモデル

「さっきのモデルさんとファッションショー仕事で会うと、『今日モデルスイッチです』みたいな感じで、挨拶もしやがらないんですよ。廊下でさえ、ランウェイみたいなテンションで『い巨』のように歩く。なんの回診ができるんだ、この野郎! むしろ、こっち(バラエティ)寄りでやってるのに『バラエティドラマも出ちゃって、私って“いろんな顔”持ってるなぁ~』って、ちげえからな? “いろんな顔”を持ってるのは事務所パイプだよ、この野郎!」(山里

 それにしても、スリリングな番組である。マツコが「この番組、何?」と問いただすほど山里にとってリスクだらけだが、本人は「こんな素敵な場を用意してもらったんで、あとはどうなってもいいです!」と、性根を据えて向き合っている模様。

 どれだけ性根を据えているか? なんと山里は、番組序盤に「みんな、たどり着いて!」と、妙な方向でマツコらを励(?)しているのだ。“答え”を見破られることを恐れていない。それどころか「だいたい、こういうのって、ネット記事が勝手に断定して言うんですよ」とネットが荒れることを前提とし、さらには「みんなの頭の中で考えていただいて、『この人だ!』とその人を嫌っていただければ、はそれで本望」とまで断言する勢いである。

 これには、理由がある。山里からの情報を頼りに連想できてしまう芸人のことを、彼は漏れなく嫌っている。だから、どんどん勘繰って嫌ってほしい。なるほど山里なりの確信があるらしい。

 恐れ入った。出演者と視聴者コールアンドレポンスとして一次元上へ行った感がある。また、山里インターネットの間に存在する、いびつな形の信頼関係が透けて見えると考えるのは、言いすぎだろうか?

 記事冒頭で「山里はかつて『炎上芸人』のに収まっていた」と書いたが、それでいて山里のことを嫌うネット民は、実はかなり少ないという印がある。両者の関係性は、決して一筋縄ではいかない。

 これは、「テレビ」と「インターネット」というえての、演者からのくすぐりだ。インターネットとの相性が良好な山里だからこそ成し得た芸当ではないだろうか。
(文=寺西ジャジューカ)

南海キャンディーズ・山里亮太