グッドイヤーは今回の東京モーターショーに市販タイヤに加えて、4種のコンセプトモデルを出品しました。

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なかでも注目となっているのが、Eagle 360(イーグル・サンロクマル)とEagle 360 Urban(イーグル・サンロクマル・アーバン)の2つのタイヤです。タイヤは生まれてから現在まで円形、つまりドーナツ状の形状をしていましたが、この2つのタイヤは同じ丸形ですが、円ではなく球となっているのが特徴です。

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「Eagle 360」は磁気によってボディを浮かせることができるタイヤ。球体なので車体の向きを変えるこことなく、前後左右の自由な方向へとクルマを動かすことが可能としています。空気圧やタイヤ摩耗を常時モニタリングし、ムダのない耐久性を実現、天然のスポンジのようにドライ路面では固くなり剛性を確保、ウエット時は柔らかくなり排水性を向上する、というコンセプトです。

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「Eagle 360 Urban」は「Eagle 360」をさらに考えを進化させ、同じ道路を走行しているタイヤや自動車とIoTでつながり情報を共有したり、AIテクノロジーにより現在や未来の摩耗などを予測する機能などを追加。亀甲模様の中心が変化し、ドライ路面では平らな状態で接地面積をアップ、ウエット時は凹んで排水性をアップ。さらに軽微な損傷は自己修復をする機能まで備えています。

もちろん、現在は走行できるようなカタチになっているものではありませんが、どうしてこんなに自由な発想のコンセプトモデルが出てくるのか? アジア・パシフィック地区の2名の副社長、製品開発担当デビッド・ザンジグ氏と消費財担当ライオネル・ラミレス氏にお話をお聞きしました。

詳細画像はこちら 製品開発担当デビッド・ザンジグ副社長(左)と、消費財担当ライオネル・ラミレス副社長

—ここまで突拍子もない発想のタイヤを考え付く理由を教えて下さい。

詳細画像はこちら デビッド 我々の開発チームのなかにはアドバスンドコンセプトチームという開発チームが存在しています。そのチームのなかでは自動車業界におけるトレンドや世界ではなにが起きているのかを考えている部門です。そのチームでは限られた箱のなかでの考えではなく、チャレンジングなクリエイションを行って言います。

ライオネル グッドイヤーの創立者であるチャールズ・グッドイヤーがチャレンジングな人であったから、この会社があるわけです。我々がチャレンジングであることは当たり前だし、チャレンジングであるからグッドイヤーが存在している。これこそがグッドイヤーのDNAなのです。研究開発は我々の素なのです。

—非常に自由な発想でタイヤを開発しているというと、GoogleやMicrosoftのようなIT企業の開発者たちのような自由さを想像するのですが。

デビッド 彼らは非常に自由に考える人たちです。我々もシリコンバレーにオフィスを持っています。そこではタイヤはいかにはほかのものとコミニケートするかなどを考えています。

ライオネル いわゆる革新的なIT系の人たちとも開発は行っています。伝統的なタイヤ開発者以外ととのつきあいも濃いですし、各国の大学とオープンリサーチを行っているチームもあります。強調したいのは、革新的なDNAはつねに限界を超えて新しい技術を作っていこう、使っていこうとしている。それが後々には商品化されていくのです。

—日本にも開発拠点はあるのですか?

詳細画像はこちら ライオネル 日本ではネットワークを作って、開発を行っています。イノベーションセンターはルクセンブルクとオハイオにあり、その2カ所が中心です。

デビッド 我々は常に消費者を第一にしています。我々はグローバルスプリントで、世界中の拠点から必要なもののポートフォリオを吸い上げます。日本の消費者向けにはベクター4シーズンズやアイスナビ7を送り出しました。この2製品は日本の消費者のために作ったものです。

—ベクター4シーズンズは最初は輸入品だったと記憶していますが。

デビット ヨーロッパで最初作っていましたが、現在は国産化してよりニーズに合わせたものとなっています。

ライオネル 世界で持っている技術を最適化して、その地域にあったものに仕上げていきます。

—日本のユーザーニーズは厳しいと思います。

ライオネル はい、とても厳しいです。とくにOEM納品はびっくりするほど厳しいです。トヨタも厳しいですが、今回はコンセプトカーにも使っていたいただいています。

—その日本の厳しさが役立っていることはありますか?

デビッド 日本のユーザーの高い要求は役に立ちます。トヨタのノイズに対する要求はハイエンドのユーザーが音が静かでコンフォータブルで、世界中でこうした要求を求めています。また、10年前にトヨタが求めていた転がり抵抗値を、今は世界中のさまざまなメーカーが求めるようになってきました。

—日本に合わせてタイヤを作っていれば、いずれは世界が求めるものが出来ているというわけですね。グッドイヤーのなかで日本はどれくらいのボリュームなのでしょう?

ライオネル アジア・パシフィックではインドが大きく、次いで日本が大きな市場です。グローバルでは圧倒的にアメリカが大きな市場となります。市場としての大きさもありますが、その要求性能などは非常に大きな役割を担っていると言えます。

—どうもありがとうございました。

詳細画像はこちら お話をうかがった両名と技術本部長の松崎洋明氏

そのほかにも、「BH-03」は熱電素子と圧電素子によってタイヤが発電を行うという技術を盛り込んだもので、実用化されれば、来たるべき電動化へ向けて大きな意義を持つことになります。

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また、「モーフィングタイヤ」はタイヤの空気室、つまりチューブ部分が3分割されたトリプル・チューブを採用。モニタリングされた路面状態に合わせてさまざまな形状にタイヤが変形するという仕組みです。

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「タイヤは円形で真ん中に穴が空いているもの」という前提を破る発想をするGOOD YEARブースのコンセプトタイヤたちを、東京モーターショー2017でぜひ見てみることをお勧めします。

(諸星 陽一)

【東京モーターショー2017】「球のタイヤ」登場! この突拍子もない発想はどこから来るのか?(http://clicccar.com/2017/11/02/526252/)