帝国データバンクは10月末、「アパレル関連企業の経営実態調査」の結果を発表した。それによると、2016年度のアパレル関連企業の売上高伸び率の平均は前年度比1.42%減少し2期連続でマイナスとなった。業態別では小売の不振が目立つ。

本調査は、同社の持つ企業データベースファイル「COSMOS2」の中から、2013年度~2016年度のアパレル卸・小売を主業とする関連企業の業績・財務状況を対象とした。

小売企業の苦境が顕著 売上高伸び率でプラスの地域はついにゼロへ

消費不振を改善する手立てはないのでしょうか

2016年度のアパレル関連企業1万7492社の売上高伸び率は、「卸」は前年度比1.02%、「小売」は1.61%のマイナスだった。特に「小売」は3期連続でマイナスだ。ユニクロやしまむらなど一部の大手小売で売り上げが増加したものの、ファストファッションとの競合激化などの影響で、全体では減収となった。

全国を9地域に分けて分析しても、全ての地域で減少が見られる。2014年度は3地域、2015年度は2地域が前年度比でプラスの伸び率を記録していたことを考慮すると、年々苦しさが増していると伺える。

マイナス幅が最も大きかった地域は「四国」で2.88%。以下、「北陸」(2.84%)、「北海道」(2.35%)が続く。マイナス幅が最も小さかったのは「関東」で0.1%だった。

主要アパレル企業のうち小売の3割が赤字 経常利益率は大幅に悪化

2016年度の売上高が50億円以上の247社を対象に、当期純損益の状況も調査した。黒字企業は192社(77.7%)、赤字企業は55社(22.3%)と、全体の2割が赤字だ。業態別の赤字企業割合は、「卸」(17.6%)を「小売」(27.9%)が上回る。小売では、不採算店舗の撤退による特損計上が目立った影響とみられる。

同年度の売上高経常利益率の平均は1.24%で、前年度比0.3ポイント落ちた。特に小売は前年度のプラス1.38%からマイナス0.64%へ大幅に悪化している。小売の売上高経常利益率を売上高規模別に見ると、「50億円以上」の企業がプラス3.25%であるのに対して、「10億円未満」はマイナス1.24%と、中小規模の小売企業で売上の厳しさが顕著だった。

アパレル関連企業は例年、300件前後が倒産している。2017年度上期の倒産件数は147件だった。調査を行った帝国データバンクはリリース内で、先日の衆院選結果に触れ、

「安倍政権がこれまでの金融政策を維持すれば再び為替が円安に振れる可能性もあり、アパレル関連企業の利益や倒産動向に影響を与えることも考えられる」

と、為替相場が与える影響を懸念していた。