連続テレビ小説「わろてんか」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第5週「笑いを商売に」第27回 11月1日(水)放送より。 
脚本:吉田智子 演出: 東山充裕

27話はこんな話
土地を担保に一発逆転をかけたビジネス・電気式髪結い機、略して電髪(パーマ機)が大失敗。途方に暮れて家を出たっきり帰らない藤吉(松坂桃李)を心配し、てん(葵わかな)が探し歩くと、そこには・・・。

ダメ男・藤吉、ついに、女にもだらしない面を見せるか! 
街中、探し歩いてようやく訪ね当てた長屋(リリコの家)で、藤吉はハダカでうつ伏せになっており、リリコ(広瀬アリス)が親密に寄り添っていた。
リリコ「あんた 気持ちええか」
藤吉「ああ気持ちええな」
さすがのてんも笑っていられない。怒る。はたく。
だが、藤吉は、膏薬を貼ってもらっていただけと弁解。子供の頃から旅芸人一座で家族のように暮らしてきたから、ハダカを見せることなど慣れているらしい。
そういうことも確かにあるだろう。
てんは、正式に結婚してないし女中部屋で暮らしているということは、おそらくまだ清らかな身のはず。
そんなおぼこいてんに、リリコは、自分だけが知っている藤吉の生々しいところをひけらかすように語る。

リリコの長屋、色とりどりの大入り袋がたくさん貼ってあるのが、かわいい。

ごりょんさんが成敗、成敗 
藤吉が、家を抵当に借金をしてしまったことを知ったごりょんさん(鈴木京香)。
血相変えてリリコの家に駆け込んできて、「成敗したる」と刀を振り上げた。
「ついに刃傷沙汰でございます」(ナレーション小野文惠)でつづく。

まるで、長屋コント。藤井隆の登場で、にわかに商業演劇ふうになって参りました。このままこのノリを定着させてしまえばいいような気がする。

今日の、わろ点
藤井隆の体当たり芸と電髪コントの2本です。

まずは、電髪コント。
キース(大野拓朗)が買い付けてきた舶来の電髪を試してみると、煙がモクモク出てきて大変なことに。
試しに電気釜をかぶった藤井隆が、事態に気づかず、ニコニコ、キラキラした無垢な顔が、やがて泣き顔になる落差が溜まらない。

そして、体当たりコント。
吉本新喜劇で、芸人さんが、全力でものにぶつかっている、あの感じ。
初登場のときも吉蔵は店から飛び出して対面にぶつかって、もう一回反対側にぶつかる。
今回もその動きを、きっちり再び。
こういう芸は、カラダが資本。頭が下がります。

今日の、おてんちゃん
藤吉の足取りを追って、やってきた吉蔵(藤井隆)の店で、彼の笑えない芸(うしろ面)を見ても「笑いは人を癒やす薬やと思うとります」と励ます。
薬種問屋の娘だけに、というのはどうでもいいが、てんはいい子。そして、葵わかなは、お料理しているときの所作などがすっとしていて、感じがいい。
いわゆる脳天気なヒロインではなく、賢げで、凛々しく、鈴木保奈美が母であることがピッタリ。
だからこそ、なぜ、藤吉なのか・・・これが、このドラマ、最大の疑問である。
(木俣冬)
イラスト/まつもとりえこ