堅実女子のお悩みに、弁護士・柳原桑子先生が答える本連載。今回の相談者は松井希美さん(仮名・35歳・証券会社勤務)

「3か月前に、私の部署に10歳年下の後輩が入ってきました。私は役職者なので、彼は部下にあたります。私はバツイチなのですが、彼に一目で恋に落ちてしまいました。

2.5次元の舞台に出てきそうな小さな顔、とがったあご、涼しい目元、長い手足……本当にカッコよくてかわいいのです。仕事もできて、同じ部署の男性上司からもかわいがられています。意地が悪いところがなく、ひたむきに仕事に向かっています。SNSや大学などを検索しまくり、趣味は弓道とピアノで、兄弟は官公庁に勤務しており、武蔵野の名家出身というところまで突き止めました。

仕事が手につかないほど彼のことが好きで、いつもドキドキしています。

会社の飲み会で、彼女がいるかどうか聞いたら”いません”と答えるし、さりげなく私のそばにいて、ボディータッチをしたリ、ヘアスタイルを変えたことに気が付いてくれたりして、2人でランチや軽い飲みをしたこともありました。

先週、2人でプライベートで映画を見に行ったので、思い切って彼に告白しました。そしたら“松井さんのことは尊敬していて、とても気が合う人だと思っています”と言われ、イエスともノーとも言われないままにされてしまいました。

以降も彼の態度に変わりはなく、さりげなく思いを伝えているのですが、毎回うやむやにされています。拒絶されている気配も感じられないので、アタックし続けたいのですが、私のこの行動はセクハラになるのでしょうか。よく”2回目以降はセクハラ”などと言われますが、それは本当なのでしょうか?」

柳原桑子先生のアンサーは……!?

行為者がどう思おうと、された方が嫌だと思えば、性的嫌がらせ……すなわちセクシャルハラスメント(セクハラ)と判断される可能性が高いのです。セクハラは、男性・女性に関わらず、できるだけ広義に解釈されるものだと理解しておくべきです。

セクハラについて特に意識して知っておきたいことを、下記にまとめます。

● 女性が男性に対して行なう場合含みます。

●告白のみならず、食事やデートへの執拗な誘いも、セクハラになりうる可能性が高い。

●回数での基準があるわけではない。2回までOKで、3回目からはNGというような定義は存在しない。

あなたには、彼に対する嫌がらせの意思はなく、愛情に基づくものだと考えていても、平均的な男性が精神的苦痛を感じる程度の態様や頻度で告白等の言動を行なえば、それはセクハラになりうるのです。

彼の立場や気持ちに目を向けず、自分の気持ちのみで突っ走れば、彼に精神的苦痛を与え、セクハラと判断される可能性が高くなることを心するべきでしょう。彼の反応を考えずに押す一方なのは、好かれるどころかかえって嫌われてしまいます。自分の社内の立場を考えながら、冷静に行動することも大切なのではないでしょうか。

過度に相手に干渉すれば問題になることも。特に会社内の場合は、慎重な行動を選んだ方が無難。

賢人のまとめ

社内での立場を優先させて行動したほうが法律的には無難。相手の立場や感情を冷静に考えて、トラブル回避を。

プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士。

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/

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