原子力発電環境整備機構(NUMO)は14日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向け、経済産業省との共催で6日にさいたま市で開いた市民との意見交換会の際、若年層への広報業務を委託した業者が謝礼金などを提供する約束で参加者の一部を動員していたと発表した。実際には謝礼金などは提供されていないという。

 NUMOによると、業者は、現金1万円や1万円相当の物品などを提供する約束で参加者を募集した。交換会には計86人が出席したが、12人がこの勧誘で参加したという。参加者が6人程度に分かれて意見交換をした際、勧誘で参加した男子大学生が「謝礼金があると知人から聞いて参加した」と発言したため発覚した。

 このほか、すでに終了している東京、愛知、大阪、兵庫の各会場でも、同じ業者が各地の大学サークルに5000円相当の物品などの提供と引き換えに参加者募集を依頼し、計27人を集めたという。いずれの場合も物品などの提供はなかったという。NUMOは委託業者に謝礼金などを提供して参加者を動員しないよう指導していたといい、「参加者の発言や質問の依頼はないが、意見交換会の公正性に不信感を招きかねない。委託先の管理が不十分だった」と説明した。

 意見交換会は、経産省が7月に日本地図を地質学的な適否に応じて塗り分けた「科学的特性マップ」を公表したのを受け、10月から始まった。福島県以外の全都道府県で開催する予定。【岡田英】