BIG3不在の欧州遠征「ブラジル戦を見れば、やっぱりお前たちが必要だ、となる」

 

 日本代表は現地時間14日にベルギー代表との国際親善試合に臨む。10日のブラジル戦で1-3と完敗を喫したハリルジャパンだが、長年代表を牽引してきたFW本田圭佑(パチューカ)、FW岡崎慎司(レスター・シティ)、香川真司(ドルトムント)の“ビッグ3”がメンバーから外れている。南アフリカ・ワールドカップ(W杯)16強進出に貢献した元日本代表DF田中マルクス闘莉王(京都サンガF.C.)は、ブラジル戦で浮き彫りになった3人の必要性を強調。そして、主力3人の落選と、ブラジル戦でDF長友佑都(インテル)にゲームキャプテンを託したバヒド・ハリルホジッチ監督の狙いを「誰もポジションは保証されていないというメッセージ」と独自分析している。

 

 闘莉王にとって生まれ育った母国のブラジル、そして欧州屈指の強豪ベルギーと対峙する舞台に、日本代表を牽引してきたビッグ3の姿はない。その意図について、闘将はこのように語る。

 

「香川、岡崎、本田がメンバーから外れた。監督は強豪相手にテストをしたいという思いもあったと思う。でも、高校生レベルのミスが続いてしまった今回のブラジル戦を見れば、やっぱりお前たちが必要だ、ということになる。それを再認識するために、わざと外したのかもしれません」

 

 ブラジルとの「個」の能力差は言うまでもなく大きい。3失点はいずれも個人のミスから奪われてしまった。前半7分にPKを与えた吉田麻也(サウサンプトン)、前半17分の2点目の場面でクリアしきれなかった井手口陽介(ガンバ大阪)、前半36分の失点の場面では長谷部誠(フランクフルト)が槙野智章(浦和レッズ)との意思疎通が上手くいかず、マーカーの受け渡しをできなかった。前半、特に浮き足立つ姿が目立ったが、国際経験や実績という観点から、逆にビッグ3の存在感を浮き彫りにする効果があったと闘莉王は指摘する。

 

 

長谷部も「尻に火がつかなければいけない状況」

 

 

 そして、ハリルホジッチ監督が打った“もう一つの手”にも、メッセージが込められている可能性があるという。

 

「キャプテンマークを長谷部ではなく、長友がつけたのも監督からメッセージかもしれないね。誰もポジションは保証されていない、ということ。長谷部もパフォーマンスを見たら尻に火がつかなければいけない状況。この間のオーストラリア戦でも平均レベルのパフォーマンスを出せていなかった。チームのみんなが時速100キロぐらいの勢いで走っているのに、10キロ程度に見えてしまうぐらいの状況では厳しい。監督と選手は直接話をしていると思うけど、競争を高めるための外し方というものもある」

 

 3月に右膝を手術するなど、コンディションに不安を抱える長谷部はかつての安定感を示すことができていないと、浦和と代表で共闘したかつての僚友は見ている。長友が史上7人目の100試合出場という節目の試合だった側面もあるだろうが、絶対的なキャプテンシーを誇る長谷部の立場も不動ではないというメッセージを打ち出した指揮官のメンバーを固定しない人選は、選手に危機感を持たせ、競争原理を高める相乗効果もあるようだ。



 ハリルホジッチ監督はベルギー戦の前日会見で「2人、3人を入れ替える可能性があります。スタメンでそのくらい代えて、試合の流れによって何人交代するかは分かりません」と話し、ブラジル戦からのメンバー変更を示唆している。

 

 “新しい血を”求め、チームに刺激を与えようとするハリル流のアプローチは、7カ月後に迫ったロシアW杯の栄光をもたらすことができるのだろうか。

 

【了】

 

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

 

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

 

フットボールゾーンウェブ