殺人や自殺などで人が亡くなった住宅は昨今、事故物件と呼ばれている。「人が不審死した場所には住みたくない」と思うのは人の情だが、不動産業者や大家が隠してしまえば、借り手である我々は知る由もなくなる。知らず知らずのうちに、人が殺された家に住んでいることだって、往々にしてあるのだ。

 そんな状況を打破するために立ち上げられたサイトが『事故物件公示サイト 大島てる』だ。サイトの管理人である、大島てるさんは最近ではテレビなどのメディアに引っ張りだこなので、目にしたことがある人も多いだろう。

 そんな大島てるさんに、今年の4月12日の深夜、ツイッター上にて殺害予告がなされた。

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2017/11/post_15073.html】


■ツイートで大島てるを殺害予告

 アカウント名は“ドン黄桜@10kg減量”。ツイート内容は、

(ドン黄桜@10kg減量)

 というものだった。
 発信元は、兵庫県の尼崎市だ。続けて、

(ドン黄桜@10kg減量)

 とツイートした。
 
 これは明確に猟奇殺人を予告しており、SNS上では騒ぎになった。さすがに騒ぎに、危機感を感じたのか、

(ドン黄桜@10kg減量)

 とツイートした。言いすぎだったかも、とは言っているものの内容は、相変わらず大島てるさんに対して攻撃的な内容だ。

 大島てるさんと言えば、不動産業者と揉めても一歩もひかない度胸のすわった男というイメージがあるが、殺害予告された時はどのように感じたのだろうか? 本人にうかがってみた。


■大島てるに直撃取材

大島「そのツイートは、私がエゴサーチをして見つけました。エゴサーチしたと刑事さんに言ったら、笑われてしまいましたけど……。殺害予告を受けて、当たり前の感想ですが怖かったですよ。誰だか分からない奴に、殺すと言われたわけですから。すぐに警察に通報しました」

 警察には「ホテルに泊まりなさい」と勧められた。

大島「勧められた、と言っても半ば強制的な雰囲気でしたね。ホテル代はもちろん自腹ですから、とても痛いです」

 被害はそれだけにとどまらなかった。大島てるさんが出演するイベントが中止に追い込まれたのだ。

大島「私が主演のイベントは中止になってしまったものもありますし、私がゲストで呼ばれるはずだったのに出演をキャンセルされたイベントもありました。」

 トークライブの老舗である新宿ロフトプラスワン系統のライブハウスでは中止は免れたものの、店内に警察官が配備され、客は手荷物検査をされるという念の入った警備をほどこした。

 たまに際どいイベントを開催しては、警察に踏み込まれるロフトプラスワンとしてはとても居心地の悪い思いをしたことだろう。
大島「警備の警察官はとてもありがたかったですね。自宅を制服警官が見張ってくれているわけですから、警備会社に頼むよりずっと安全なわけで、お得だな~なんて思いました(笑)」

 しかし警備はしてくれたものの、犯人はいつまでたっても逮捕されない。理由としては、遠隔操作、なりすまし、アカウントの乗っ取りの可能性がないとは言えないので、動きづらいというものだった。

大島「片山祐輔さんが起こしたPC遠隔操作事件が尾をひいているのかもしれないですね。警察が動いてくれないならば、自分でやるしかないと思いました」

 犯人はツイッターに殺害予告を書いたことに対し危機感を持っていなかったらしく、本名、住んでいるマンションはすぐに判明した。

 ちなみに、本名は“福寿洋輔”だ。

 大島さんはブログに懸賞金をかけたが、警察に「すぐに止めるよう」指示されてしまった。大島さんの弁護士を通して民事の損害賠償請求をしようと思ったが、やはり“本人かどうかが未確定”なのが理由ですぐには難しかった。

 「自首しなさい」と書いた手紙を犯人宅に郵送したり、兵庫担当の運動員に犯人宅のポストに投函してもらったりしたが、犯人に大きな動きはなかった。

 そのまま膠着状態におちいり、いたずらに時間が過ぎていった。

大島「しばらくは手をこまねいていたのですが、事件からちょうど半年を節目に、あらためて犯人を自首させようと思いました」

 戸籍謄本をとったり、実家をかぎまわったりした。元々、事故物件調査を生業としていたので、そういう作業はこともなげにできた。

 本腰入れて戦うぞ!! ……と思ったところで警察から電話があった。

大島「犯人を逮捕したという連絡でした。嬉しいと言えば嬉しかったんですが、私が住民票などをとった直後のタイミングだったので、私の動きを見た警察が仕方なく動いたのでは? といぶかしみましたね」

 犯人は警視庁で“脅迫罪”の容疑で逮捕され、取り調べで、自白をしたという。

大島「警察がしっかり動いてくれたのは嬉しいです。ツイッターでなら何を書いても逮捕されないんだ、と思っている人たちへの牽制になりますからね」

 ツイッターに殺害予告を書いたら捕まるのだ。このルポを読んでる読者の皆さんは、間違っても痛いツイートをしないように!!
(取材/文=村田らむ)

画像は「事故物件公示サイト 大島てる」ホームページより引用。

「事故物件公示サイト 大島てる」ホームページ