井浦新と瑛太の共演で人気作家・三浦しをん氏の小説を大森立嗣監督が映画化した「光」(公開中)のトークイベントが12月1日、東京・新宿武蔵野館で行われた。井浦に加えてサプライズで出演者の橋本マナミも来場し、映画を見終えたばかりの観客からの質問に答えた。

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東京の離島・美浜島に住む中学生・信之は、交際中の同級生・美花を守るために殺人を犯してしまう。その翌日、島を大災害が襲い、信之、美花、幼なじみの輔と数人の大人だけが生き残る。25年後、妻子と共に暮らす信之(井浦)の前に輔(瑛太)が現れ、過去に犯した事件の秘密を握っていることをほのめかす。橋本は、信之の妻・南海子を演じている。

本作は全編を通してひりつくような空気が充満している。井浦は、信之の娘が、父親が家に帰ってきたのを喜び、狂ったように「パパ! パパ!」と連呼するシーンを挙げて「(部屋の)外で聞いてて、背筋がゾッとしました」と述懐。「この映画には愛憎があり、そこで人を殺したり、大事な人を裏切ったり(する様子)が描かれているけど、監督が1番伝えたかったのは、人間の生命感との対比だと思う。大人は(裏切りや殺人の)世界に生きているけど、子どもは素直に喜びを全開で表す。命の躍動を表したんだと思う」と分析した。さらに、劇中に登場する岡本太郎の作品群、ローマ建国神話にちなんだ彫刻「カピトリーノの雌狼」などを引き合いに出し、「監督は言葉ではなくシンプルに答えを表してるんじゃないか」と考察。本作が持つ"深み"について、観客を前に思考を巡らせていた。

一方の橋本は、「この映画は狂気が表された、理解しがたい映画。あの子は何も知らないけど、普通に人が殺されて、平気で不倫もするおかしな世界の映画なので、子どもが叫ぶくらい(起こりうる)。狂気じみたものを描きたかったのかな? と思いました」と独自の見解を語った。

井浦と橋本の共演シーンの中で最大の見せ場は、信之が家中のあらゆるものを破壊するシーン。信之の凶暴性がむき出しになる場面だが、橋本は「リハーサルでは棚を倒すくらいしか聞いてなかったけど、本番で新さんがぶっ壊れたんです(笑)」と"暴走"を証言。井浦は、演技に熱中するあまり綿密にセッティングされた照明やスタッフの買ったばかりのパソコンを壊してしまったそうで「終わって監督を見たら、下を向いてました(苦笑)。すぐ照明部にも謝りに行きました……。自分でもびっくりしました。僕もあんまり覚えていないんです」と記憶が飛ぶほどの熱演だったと明かし、客席は驚きに包まれていた。

共演シーンを回想