あの国民的バラエティ番組のスピリットを引き継ぎ“友達の輪”を!とスタートした『語っていいとも!』。

前回、芸人の平成ノブシコブシ・吉村崇さんからご紹介いただいた第49回のゲストは芸人・タレントの渡辺直美さん。

今やSNSでも圧倒的支持を得る女性たちのアイコンに。ツイッター他、インスタではフォロワー数が700万超!と、そのファッションやスタイルも常に注目される存在となっている。

最近ではドラマ『カンナさーん!』で主演を務めるなど、さらに活躍の場を広げているが、前回はセレブ意識は全くないという自己分析から謙虚で向上心旺盛な素顔も垣間見えーー。(聞き手/週プレNEWS編集長・貝山弘一)

―上には上がいて満足できないというか、やはり向上心がすごい。ちなみに最近、ブログも復活してませんか? さりげなく今月くらいから…。

直美 そうなんですよ、ほんと一昨日くらいから始めて。なんか結局、インスタって今みんなビビっちゃってる部分あると思うんですよね。コレ上げたらヤバイかなとか。ダサいかなとかなっちゃって。

で、友達に「SNS上げてもいい?」って言って、ツイッターのほうだと、みんな寂しいんですよ。あぁ、2軍のほうに上げられたみたいな(笑)。でも、それくらいみんなすごい吟味して。なんか、インスタが架空の世界になっちゃってるっていうか。私はまだ身近な、自分の日常を上げるものだと思ってやってきたんですけど。

―過度にねつ造されたというか、自分を美化してヒエラルキーを上げるツールになってるようなね。

直美 なんか今、“インスタ映え”ってのも私、一番嫌いな言葉で…。インスタ映えを目指してやっちゃってるのが「えっ、何に向かってやってるの?」って思っちゃうんですよね。だからこそブログやろうと思って。

―自分自身、インスタ映えとか、そんなつもりでやってない、なんか違う感じになってきてるなって抵抗感も?

直美 例えば、インスタを撮るために旅行するとかインスタのためにオシャレなところ行こうとか。自分自身ではそうは思ってないですよね。

―それが今、逆になって。インスタが目的になってますよね。

直美 そう。旅行の中で写真を撮って、その時の感情とか、その時の思い出とか、これインスタいけそうだねってくらいのおすそ分けだと自分は思ってるので。本当の一番の良い思い出は写真に残せないじゃないですか。

―じゃあ、たまたまの結果なんですね。その数字がついてきたのも意図的ではなく…。

直美 そうです、ないです、ないです。全くないです! ただ自分がやりたいことをやってたら、みんな応援してくれたっていうだけで。

始めるのが早かったっていうのもありますよね。たぶん2011年とかぐらいから。私的には、写真でボケるっていう感じでふざけて、海に来ましたって言ってるのに全然関係ないポーズで写真を撮ったりっていうのが最初にやってたことなので。

―今はみんな、何か伝えたいことがあって、というのとも違ってきてますよね。

直美 そうそう。で、例えば派手な食べ物をどうやって自分風に撮って載せるかっていうのがインスタの醍醐味(だいごみ)だと思うので。「どこどこのパンケーキ美味しかったー」っていっても「はいはい」って感じじゃないですか。そのパンケーキを使って自分が足してやることによって、その人のインスタになると思うので。

―自分なりにどうプラスαの付加価値を付けるかみたいなのもないと…。

直美 だから結局、芸能人の方ってみんなそうじゃないですか。その自分のことを発信しているっていう。人が作ったものをただ上げてるんじゃなく、じゃあ私だったら、そのシェフを一緒に入れて「これ作ったスゴい人です」ってプロフィール書くとか。

みんなそうだと思うんですよ。自分がやってることを発信している。だから「インスタ映えって何?」って思っちゃうんで。なんか私は好きじゃないですね。

―それを上げるだけの何か自分とのケミストリー(化学反応)が欲しいみたいな?

直美 もったいないなと思って。食べ物だけ載せてる人もいて、自分が日々食べてる美味しいものを載せたいって思いがあるのはいいし。写真もキレイで、それはそれですごいと思うんですよ。そのニーズもあるんだろうなと。

でもなんか今、インスタに対してみんな虚言癖っていうか。嘘の世界を作り過ぎてて。「何上げてもいいじゃん」「私の自由じゃん」って人もいると思うんですけど、もうネットに晒(さら)してる時点で自己満ではできない世界になってるので。

ツイッターとかもそうですけど、発信してるっていうことは、やっぱアンチも増えるだろうし「それ違いますよ!」って怒られることもあって。それを含め、みんな表に晒されているって思いでやってほしいなっていうのはありますよね。

―この『語っていいとも!』でも、恐れ多くも自分をある程度晒して…どんだけ恥ずかしいかという(笑)。やっぱりそこに責任は伴いますからね。

直美 ネットってやっぱりすごいあると思います。フェイスブックはまた違うけど、ツイッター、インスタはそれがありますね。

―リアルに見知らぬ他者からの中傷やバッシングもありますし。発信する側もそこに嘘がないか、何がフェイクか問われますしね。常に覚悟は必要だなと。

直美 覚悟は必要です。覚悟してこの世界入ってるので。特に私はもう、思春期の頃からネットがあって、ネット世代なので。自分で16歳くらいの時からバイト先の仲いいメンバーだけがログインできるホームページ作って、日記を交換してブログを書くっていうのをやってたので。ネットに関しては特にここ3,4年くらいは激しくなってるなぁと思いますね。

―なんか、インスタから深い話になりそうな…そういうSNS論だけで1時間終わりそうですが(笑)。やっぱり常にいろいろ考えられてるんですね。

直美 めちゃくちゃ考えるのがすごい好きなんですよ、何事も。会議とか好きなんです(笑)。物事をゼロから何か作ることになった時、「これはどう?」「それはダメだよ」「つまんないよ」とかなって「そっか、じゃあこれは?」って、お互い喋るのが好きで。

―そういうのもクリエイティブ志向というか。妥協せず突き詰めて作り上げるのが好き?

直美 そうなんですかね。メイクとか衣装も「これじゃない、こうするのはどう?」って。向こうも「そうなると、こうだから」って、自分の意見を言うだけじゃなくて、向こうがどういう風な意見をするかっていう話し合いがすごい好きなんです。じゃないと、何も起きないんで。

―僕は入社して最初の5年間くらい『少年ジャンプ』にいたんですが、漫画家さんと編集者もそれですね。原稿を書いてもらう以前に、こちらもアイデアを提案したり、丁々発止の意見をぶつけ合ったり。二人三脚でもありますし。

直美 でも、そうすることでやっぱりいいものが生まれるじゃないですか。結構多いのが、若いコの意見を潰して「いやいや、1年目のクセして何言っちゃってるの?」じゃなくって、意見が言える場所ってすごい大事だなって。

最近、大きい会議なんかで、何か私がぽんって言った時に、わーって反応くるのは年上の人たちばっかりで、年下のコたちは何も言わないんですよ。言いたいことはあるけど、ここで言ったらダメだろうなとか「じゃあそれで」みたいな。「あれ?」って。そうなっちゃうと違うなと。

―物足りないし不安になりますよね。え、それでいいの?って。

直美 そう。妥協してるんじゃないかなって思っちゃったりするので。あと、仕事の内容によっては全部お任せしますみたいな。すごい若いコたち見てると、別に行かなくていいところ行っちゃって、行かなきゃいけないところ行かないみたいなのが多いかなって。だから、もったいないなって思いますね。

―で、出せないものをSNS上では発散したり、野放図に垂れ流したりもして…。

直美 ツイッターとかでいろんなすごい意見言ってるのに、いざ何か行動を起こすってなった時に、現実世界ではダメなんじゃないかって思っちゃってる気がして。で、今、ネットにもルールができてるじゃないですか。ツイッターでこういうの上げちゃダメみたいな。

昔なんかね、本当にバカッターって言われるくらい、バイト先の冷蔵庫の中に入ったとか…なんかバンズの上に寝転ぶ“バンズベット”とかありましたよね(笑)。でもそれがネットのルールと現実がすごい重なってきてて、こういうのは言っちゃダメだよって。

―自己責任ではありますが…縛りもますます世知辛くなってますよね。

直美 芸能人のこと撮って上げるっていうのも、必ず誰かが「著作権の関係で訴えられますよ」みたいな注意する人が出てきて、今、少なくなってきたんですよ。現実の世界とすごいリンクしちゃってるので、ネット民はどんどん居場所がなくなっちゃうし。

また新しいルールができるだろうなぁって思いますけど。やっぱ、それについていかなきゃいけないんですよね。

―そこでまたブログに戻ってみようかなっていうのはバランスを取るみたいな意味も?

直美 そうですね。別に画像も気にしなくていいし、自分の思ってることとか書きやすいし。なんか自分が帰れる場所を作ったほうがいいなって。ツイッターも仕事になっちゃってるし、インスタなんて本当にちゃんとしたもの上げなきゃみたいな雰囲気なんで。ブログに戻ってきたんですよ(笑)。

―よくぞ戻ってきてくれた!って、ブログ民は歓喜ですね。

直美 いや、でも本当にネットで自分の意見言えなくなってません? 一般の方でも炎上するってわかってるから、ネットの中での縦社会みたいなのも増えてきちゃって。嘘ついてる人いっぱいいるんじゃないかなって。

―直美さん、新書でも出しませんか? 集英社新書で渡辺直美の「SNS論」とか。反響を呼びそうですよ。

直美 いやいやいや(笑)。ネットについて? 売れますかね(笑)。

―めっちゃ売れるのでは(笑)…というか、読みたいです。ネットでの生き方みたいな。企画を売り込んでいいですか?

直美 あはは。はい、是非とも。若いSNSのコたちに読んでもらって。でも本当に今、ブログのほうは誰からも注目されてないんで。最初はちゃんとブログやろうと思って、ランキング1位を取った時に「あ、1位取った、よし、とりあえず」って思ったらインスタに移行しちゃたので、全然更新してなくて。

今、私のブログを1日500人くらいしか見てないんですよ。だからこそめちゃくちゃ書けるって思って(笑)。本当に他愛もない日常を書いたりとかしてて。そういう空間を自分で作っていいんじゃないかと思うんですよね。

―ちょっとユルいくらいの肩の力抜いたようなね。

直美 そうなんですよ。今、何かっていうと叩かれたりとかするんで…。自分がやりたいことでも、綾部さんとかニューヨーク行くってなったのもそうだし、すごい大変だなぁって思いますけどね。「絶対無理だよ」とか「いつ行くんだよ、行く行く詐欺かよ」みたいな。

素直にすげぇなってならない世界がなんかね…。「頑張ってほしいなぁ」とか「この歳でそういうのに挑戦するなら俺も…」じゃなくたっていいんですよ、別に。でも、叩き方がもう…何も本人してないのに(苦笑)。

私もニューヨークに留学するってなった時、メディアに言わずに行こうかと思ったんですけど、でも3ヵ月間待ってくれてるレギュラーのスタッフさんもいるからって新聞で発表して。もちろん記者会見も開かないですし。

そしたら「妊娠か?」みたいな。向こうで子供を産むのか?とか堕ろすとか。あと「整形するんだろ?」ってガチで書いてあって。こっちが「え!?」みたいな。そういう風に裏かきすぎっていうか。

―逆に今、TVのワイドショーとかもなくなって、ゴシップ雑誌的なものも廃れた分、主にネットが発信源ですよね。

直美 ネットばっかですね。で、ほとんど嘘なんですよ。本当のこともあるかもしれないけど、結局、私たちにとって今ちゃんとしなくちゃいけないのは、どれが本当で、どれが嘘かっていう情報をしっかりキャッチアップするかっていう作業だと思っていて。

―まさに我々メディアの側が問われているのもそうですね。自らに返ってくることで。

直美 ですよね。でも、すごいと思いません? ネットニュースとかで、TV観た感想をそのまま書いただけとか。

―まとめサイトもそうですが、全部一緒くたにされてね。だからこそ情報の取捨選択が大事だし、難しくなってますよね。

直美 それで炎上とかされて。勝手に嫌われたりするのも可哀想だなって思うし。でも本当に一部なんですよね、マジで悪いことしてる人とか。私は別に悪口書くことはいいと思うんですよ、その人の発散の仕方だから。でも、追い込むのは違うと思ってて。

気に食わない、嫌いとか、こんなヤツがなんで売れてんだっていうのは全然いいと思うんですけど、それを常に追い込んでいくのは、やっぱりルール上よくないのかなって。

―そういうのも自分に返ってこないとわからないですよね。痛みというか。まぁ結局、昔からTVでもそうでしたが、使い方、遊び方次第というか。誰がどう使うのかなのかなと。

直美 そうなんですよ。だから、私はもうSNSは楽しいものしか発信しないって決めてるので。楽しいもの担当でやらせてもらってて。世に対しての不平、不満を書くだけの人もいると思うんですけど、それはその人の道でいいし。

だけど、それを混同させるのは絶対ダメだと思う。楽しくやってる人に対して自分の憎しみをポンって書くみたいな。例えば「ちょっと、この書き方よくないと思いますよ」とか注意だったらわかるんですよ。じゃなくて「死ね」とか「おまえみたいなやつ消えろ」って。

陽のところに負のものを入れたり、それもうルール違反なんですよ。「こっちはこっちで盛り上がってんだよ」みたいな(笑)。そういうのはお互いに尊重していかないと、っていうのはすごい思いますね。

●この続きは次週、12月10日(日)12時に配信予定!

(撮影/首藤幹夫)





















●渡辺直美(わたなべ・なおみ)










1987年10月23日、台湾生まれ。東京NSC12期生。18歳で芸能界デビュー、08年には『笑っていいとも!』のアシスタント「いいとも少女隊」の一員に。卒業後も月曜レギュラーとして復帰。現在、インスタグラムのフォロワーは日本一の730万人超。アパレルブランド「PUNYUS(プニュズ)」のプロデュース、今年7月には連続ドラマ『カンナさーん!』で主演を務めるなど多方面で活躍、支持を得る。
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