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11月28日にドワンゴが動画サービス『niconico』の新バージョン『く(クレッシェンド)』を東京都内の会場で発表した。ところが、ユーザーの期待に応えるものではなかったようで、会場は大きな失望感に包まれた。

発表の様子を配信していた画面には《いいかげんにしろ!》、《もうプレミアム会員辞めるわ》、《これのどこが新バージョンなんだ!》など、罵詈雑言、怒号のコメントが飛び交い、最後はコメントが流れなくなる事態に陥った。

前身のサービス『ニコニコ動画』は2006年にスタートしたもので、動画に自分のコメントが書き込める機能などが人気となり、最盛期は有料のプレミアム会員数が256万人を誇る人気動画サイトだった。しかしその後、ライバルとなるサイトが多数できたこともあり、現在では苦戦を強いられている。ドワンゴが発表した2017年4~9月期の連結決算によると、会員数は前年同期から28万人減の228万人にまで落ち込んでいた。年代別では30~50代会員の割合が増え、ユーザーの高齢化も進んでいる。

「かつて人気を誇ったニコ動ですが、いまでは完全にサービス面でほかのサイトから遅れを取っています。スマートフォンの高性能化により、高画質の動画が求められるようになったにもかかわらず、いつまでも最大画質が720pのままだったことや、使い勝手の悪さから、ユーザーが次々に離れていきました。残っているのは古くからのメンバーで、主に中高年が多いということから、若年層から支持を得られていないことが分かります。ネットの世界は日進月歩ですから、このままでは最悪、サービス停止になる恐れすらあるでしょう」(ITライター)

 

新バージョン発表に失望「ニコ動」オワコン化に拍車

AbemaTVの勢いとは対照的

今回の騒動は、リニューアルに期待を抱いていたユーザーが、新しくなっても結局、変わらない使い勝手の悪さに、とうとう堪忍袋の緒が切れてしまったということのようだ。

「現在では、ニコ動に広告を掲載している企業からも不満の声が挙がっています。サイトのコンセプトがマンネリ化したことに加え、強みだったアニメ関連のコンテンツはAbemaTVやYouTubeなど、ほかの動画サービスに遅れを取り、広告としてもSNSに負けている状態では、撤退する企業も出てくるでしょう。ドワンゴの川上会長は『頼りない運営かと思いますが、皆さまの叱咤激励をありがたく受け止めるとともに、有言実行して参りたい』と発言しましたが、散々問題を指摘されていたにもかかわらずにこの体たらくというのは、完全に方向性を間違っていたとしか言いようがありません」(同・ライター)

一方で、AbemaTVを運営するサイバーエージェントの藤田晋社長が「年間200億円の赤字も覚悟する」と発言し、不採算ながらもAbemaTVを動画コンテンツの柱として育てようとしているのとは対照的と言えよう。

かつて国産SNSとして大人気になった『mixi』も、衰退するのはあっという間だった。ニコ動の今後のビジネス展開が注目される。

 

【画像・参考】

※ niconicoの4年ぶりの新バージョン「く」 2017年10月に提供開始 – dwango
http://dwango.co.jp/pi/ns/2017/0417/index.html

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