積極的に働き方の改革に取り組む「ロイヤルホールディングス」に取材した。

「元日」を休みに

ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」などを運営するロイヤルホールディングスは2018年から、全国の多くの店舗で元日を休みにする。また、5月と11月にも休みを設け、年間で合わせて3日間の休業日を設定する。

運営する飲食店(ロイヤルホスト、カウボーイ家族、天丼てんや)での実施を検討しており、現在は最終段階の調整を行っている。

提供:ロイヤルホールディングス

提供:ロイヤルホールディングス

ロイヤルホールディングスによると、「営業時間の短縮」と併せて、従業員の働く環境を良くしていくことを目指し、2016年頃から社内で議論していたそう。

これからますます 生産年齢人口が減少していく中、今働いている人たちの満足度を高めること、多様な人たちが働きやすい環境であるように努めることが企業として取り組むべき課題であると認識しております。

そのような中で働き方改革をもう1歩進めるために、店舗休業日の導入の調整に入っているという。

時代の変化に対応する

革新的な取り組みは、経営理念を反映しているという。

同グループは1951年10月に福岡県で創業し、「”食”を通じて国民生活の向上に寄与 する」ことを目指してきた。現在は外食、ホテル、機内食、コントラクト、食品事業と5 事業を展開する。

経営ビジョンには「『お客様の満足』を最大の目標とし時代の変化にしなやかに対応する日本で一番質の高い”食”と”ホスピタリティ”グループ」を掲げる。

外部環境も大きくかつスピード感をもって変化する中で、経営理念を礎とし、社会から求められる存在意義を確認しながら企業価値向上に努めております。

提供:ロイヤルホールディングス

提供:ロイヤルホールディングス

営業時間短縮、全席禁煙など続々

元日休業の他にも、さまざまな取り組みを実施している。

◆今年1月に24時間営業店がゼロに

大きな話題となったこの取り組みは、もともとは「営業時間短縮」の結果だという。

同社の目指すべき店舗像を「コックがひと手間かけて作る料理と、おもてなしのサービス提供、地域の人々に愛される店舗を作っていくこと」として、実現に向けて店舗改装や人材育成、商品施策と合わせて、早朝や深夜時間帯の営業を短縮。

2011年に43店舗あった24時間営業の店舗が、2017年1月末にゼロ店舗になり、全体の営業時間も短縮した。

◆ロイヤルホスト等を全席禁煙に

受動喫煙の防止といった社会的要請もあり、ロイヤルホストで2009年以降、快適性の高い独立した禁煙ルームを全店舗の約85%に設置し、客室を完全禁煙にした。

お客様が快適にお食事を楽しんでいただけるレストランらしい環境づくりを進めるために、約5年かけて1店舗ずつ改装しながら全席禁煙とし、2013年11月1日に、全国にあるすべての店舗の客席を全席禁煙といたしました。

カウボーイ家族と天丼てんやも全席禁煙となっており、一部分煙の専門店を除いて、ほぼ禁煙としている。

◆現金払い不可のレストランオープン

ロイヤルグループの持ち株会社であるロイヤルホールディングスが、同グループの生産性向上と働き方改革を目指し、次世代の店舗運営を研究する店舗として、11月6日に現金払い不可のレストラン「GATHERING TABLE PANTRY 馬喰町店」を開いた。

従業員が最も働きやすい店舗の環境についての研究・開発が目的で、キャッシュレス等決済方法を取り入れ、店長業務を中心とした管理業務をIT化。キッチンオペレーションなどを見直す。

どうしたら従業員の働き方が変わって生産性の向上に結び付き、期待される効果を実現できるかを考えていくことが、同店の役割だという。

働き方の変革を進めることで多様な人材が店舗で働くことができ、また外食業で働くやりがいを感じていただくことでイキイキと働けます。

そのことがお客様へのホスピタリティにつながり付加価値となって、その結果として生産性を高めていく好循環を、このR&D 店舗から既存の店舗に展開させられるよう研究を進めてまいりたいと思っております。

従業員がイキイキと働いて満足度が高まれば、お客様へのおもてなしに取り組む気持ちになります。お客様のご満足につながって付加価値を感じていただけるようになれば、結果として生産性の向上につながる、という考えで取り組んでおります。

提供:ロイヤルホールディングス

提供:ロイヤルホールディングス

選択と集中で、より良いサービスが実現

改革の効果を聞いたところ、「『働き方改革』に関する効果という点ではまだ取り組み中で、お客様に伝わって効果となっているかは分からない」という。

しかし、例えば営業時間の短縮では、早朝・深夜の営業時間を短縮した分、ランチやディナーに人を配置して、より手間をかけた料理の提供とサービスを行うように。結果としてランチやディナーに来店する客が前年より少し増えているという。

また、「短い時間の中で、いかにお客様に満足してもらえるか」といった従業員のチーム作りや人材育成にも力を注いでいるという。

提供:ロイヤルホールディングス

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「ホスピタリティビジネスの産業化」を目指す

改革に込める思いと、今後のビジョンをこう語る。

私どもは、質の高い“食”と“ホスピタリティ”グループという目標に向かって取り組んでおります。

当社グループを取り巻く環境は大きく変化しておりますが、グループとして持続的な成長を目指し、働き方の多様化など時代変化を十分に踏まえた「ホスピタリティビジネスの産業化」を目指してまいりたいと思っております。

“元日休み”に“24時間営業廃止”も…ロイヤルグループに「働き方改革」について聞いた