”本命“ヤンキースも早々に脱落「ショウヘイ・オオタニ物語は意外な展開」

 日本ハムからポスティングシステム(入札制度)を利用してメジャー移籍に踏み切る大谷翔平投手の争奪戦が早くもヒートアップしてきた。大谷は4日(日本時間5日)にもメジャー球団との面談を開始する見込みだが、ここに進めず、“書類選考“で脱落したチームが続々と判明。その中には、米メディアが本命視していたヤンキースも含まれている。

 メジャー随一の名門ヤンキースは、圧倒的な人気、ブランド力、資金力、若手有望株の台頭で充実する戦力といったポジティブな要素に加え、新労使協定のもとで制限されている契約金でメジャー30球団のうち2番目に高い額を使うことが可能となっていた。そのため、お金に見向きもしない大谷の姿勢に困惑の声を上げる米メディアも出てきている。

 3日(日本時間4日)時点での米国各メディア、記者の報道を総合すると、面談へと駒を進めたのはマリナーズ、ジャイアンツ、パドレス、レンジャーズ、カブス、ドジャース、エンゼルスの7球団。ただ、オリオールズ、ロイヤルズ、インディアンス、アストロズ、マーリンズ、フィリーズ、レッズ、ロッキーズの8球団は、まだ可否が明らかになっておらず、大谷サイドが要求したプレゼン資料を提出しなかった球団も、少なくとも3つはあるという。その他の球団には“落選“の連絡が入ったようだ。

 MLB公式サイトは「オオタニ獲得候補者減少:誰が有力? 誰が脱落?」と題した特集記事を掲載。その中で「ヤンキース、そしてMLB30球団の半数が今オフシーズン最も興味深いFA選手の獲得候補ではないとされており、ショウヘイ・オオタニ物語は意外な展開を見せている」と、ここまでの流れを驚きを持って伝えている。

 記事では、新労使協定のもとで各球団に定められているインターナショナル・ボーナス・プールの額に言及。これは、25歳未満の海外FA選手の契約金として使える金額のことで、球団によって残された数字が違うが、脱落したヤンキースやツインズはトップクラスだった。

ジャイアンツ、パドレス、カブスが使える契約金は約3000万円程度

「興味深いことに、ヤンキース、ツインズそしてパイレーツは大谷に200万ドル(約2億2600万円)以上を払うことができる4球団のうちの3球団であった。残りの球団はレンジャーズであり、使用可能なボーナスプールの金額353万5000ドル(約4億円)はMLB球団最高額である。マリナーズは155万7500ドル(約1億7600万円)が使用可能、ジャイアンツ、パドレスそしてカブスは大谷に30万ドル(約3390万円)しか払うことができない」

 記事では、このように指摘。米メディアは契約金の額を1つの基準として、多い球団は有利、少ない球団は不利との見方で予想をしてきた。レンジャーズは残っているものの、現状でこの基準は全くアテにならないことが分かった。大谷がお金にはこだわらず、環境面などを優先して球団選びを進めていることがうかがえる。そもそも、大金を得たいのであれば、25歳となって契約制限がなくなる2年後にメジャー挑戦に踏み切るという判断をしていた可能性が高いだけに、契約金の約3億円ほどの差は、大谷にとって差とは言えないのかもしれない。オフシーズンには現実離れしたマネーゲームを取り扱う米メディアは、まさに“未知との遭遇“とも言える状況に困惑気味だ。

 記事ではさらに、「日曜日のキャッシュマンのコメントによると、小都市にある西海岸の球団が有利なように思える。シアトルそしてサンディエゴは有力候補だ」と指摘。ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMの話では、大谷サイドは「西海岸」「小都市」という2つの条件を挙げており、それに当てはまるのは、パドレス、マリナーズになるという。同GMが、ヤンキースがニューヨークの大都市に本拠地を置く球団であるという事実は変えられないとして、嘆いていたことも伝えている。

 大谷獲得から早々に脱落した球団は、違う形での補強を目指すことになる。MLB公式サイトは「もはや大谷はローテーションの穴を埋める選択肢ではない。ヤンキースはCCサバシアを呼び戻すことに注意をむけるだろう。大谷入札に至らなかった他球団はジェイク・アリエッタ、ユウ・ダルビッシュ、アレックス・カッブそしてランス・リンなどのFA先発投手に目を向けるだろう」と分析。“大谷待ち“で停滞していたFA市場は、ここから活発化することになりそうだ。

 大谷は最高の環境を求め、妥協することなく新たなチームを選んでいる。(Full-Count編集部)

去就が注目される大谷翔平【写真:石川加奈子】