今回の一杯は、有名チェーン店からお届けしたい。「小諸そば」である。この日訪れたのは六本木店。港区の店舗のひとつだが、「立ち食いそば不毛地帯」六本木における貴重な店でもある。すぐ目の前に「富士そば」もあるが、また別の機会に紹介したい。

小諸そばの店舗数は現在80店で、そのうち78店が23区内であり、さらにその62店が中央区・千代田区・港区に集中しているという、まさに都心の立ち食いそばの代名詞的存在だ(2017年12月1日公式サイト調べ)。この日訪れた六本木店は六本木交差点そば、東京ミッドタウン寄りと言えばピンとくる人も多いのではないだろうか。「六本木」駅を基準にしても徒歩1~2分といったところだろう。
○さすが大手! 1分で着丼

店頭には食品サンプルでつくられたメニューがディスプレイ。「かき揚げそば」のタペストリーが垂らされていたが、これは通年の定番メニューだろう。そう、小諸そばは季節限定のメニューが多いのだ。

確認する間もなく、往来の多い通りから逃げ込むように店内に入る。時は火曜日の、もうすぐ12時になろうかというところ。店内は9割埋まっている。座席数は着席、立ち食いあわせて20人入るかどうか。

券売機は入って左手にある。どうやら限定メニューは「香味豚うどん」(税込460円)らしい。迷わずこちらをプッシュ。厨房カウンターに出す。「うどんでいいですか?」と聞かれたので、香味豚そばにもできるのかもしれない。さすが大手チェーン、オペレーションが確立しきっており、1分と待たずに完成の声がかかる。こうして混み合った客をさばいていくのだ。
○関西風のダシを最後の一滴まで飲み干す

うどんに薄めの豚バラ肉。脇に柚子胡椒が添えられているシンプルな一品。「うどん」ということで、ダシは関西風になっている。これにテーブルに置かれたセルフのねぎを盛り付けていただく。

正直なところ、肉のボリュームは寂しめで「ないよりはあった方がいい」くらいのものであるが、少しずつ柚子胡椒を溶かして食べるダシは絶品。やはり、この風味ならうどんだろう。そばだと全くイメージがつかない。最後の一滴まで飲み干す頃には、身体もしっかり温まっている。

この規模の店になると、背骨のそば・うどんづくりがブレていないので、こういった実験メニューを次々に挑戦できるのだろう。また季節が移り変わった頃、のぞいてみることにしたい。

○筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)
1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に銭湯を紹介する同人誌『東京銭湯』『三重銭湯』『尼崎銭湯』などをこれまでに制作。
(高山洋介)

画像提供:マイナビニュース