今回のビジネス女子マナーは、IT関連会社勤務の田浦なみえさん(仮名・32歳)からの相談です。

「上司についての相談です。私の部署は企業の広告やPRなど、コミュニケーション業務をお客さんの要望にあわせて提案してしていく仕事をしているんですが、いつも予算無視したアイデアしか出さないんです。

たとえば、予算が40万円しかないのに、出演者が複数いる動画を作ろうとか、お客さんの前で言っちゃう。風呂敷を広げるだけ広げて、閉じることを全然考えていないんです。

“出演者には出演者代がかかるんですよ? 撮影用商品を借りたら、返すときの郵送代だってかかるんですよ?”と言っても、“いつも大きなお金を動かしてるから、小さなお金のところまで頭がまわらないんだよね~。そのへんはなんとかやってよ”って、ドヤ顔で言うんです。

“なんとかやる”にも限度っていうものがあります。もはやバカなのか、としか思えません。こういう上司と、どうやってつきあって仕事をしていけばいいんでしょうか」

クライアントにばかりいい顔をしたり、自分の能力をひけらかす上司っていますよね。それで大変な思いをするのは中間管理職の堅実女子ばかり……。どうやってコミュニケーションをとり、仕事をしやすい環境を作っていけばいいんでしょうか。

さっそく、鈴木真理子さんに伺ってみましょう。

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 仕事でもつべきは「夢」でなく「目標」

ポジティブ思考の上司なのですね。リーダーはネガティブ思考よりポジティブ思考のほうが部下のやる気が育つ、と言われています。それにしても夢だけ大きいと困ります。今、イクボスなんていう言葉が流行っていますが、部下の士気を落としてしまっている相談者さんの上司は、残念ながらイクボスとはいえませんね。

上司だけが毎日やる気満々で、職場で浮いてしまう。どうやら「空回りしがちな人」とお見受けしました。

ただ、私はバブル世代なので、上司の気持ちがわかる気もします。「夢は頑張れば手に入る、夢は大きければ大きいほうがいい」と思いながら過ごしてきましたから(笑)。

そうそう、夢というと、子供のころになりたかった職業を思い出します。ほら、男の子なら野球選手、宇宙飛行士とか、女の子ならパティシエ、バレリーナのように。

でも、夢を現実にするのは至難の業。大人になるにつれ、諦めることを覚えます。

仕事でもちたいのは夢というより目標ですよね。

ノルマだと「やらされ感」がありますが、目標なら努力して叶えられる。会社、部課はもちろん、社員個人の目標を設定する企業が多いでしょう? 

相談者さんはぜひ、「手を伸ばせば達成できる目標」を上司と話し合い、共有してみてください。

仕事をおもしろがることも重要

たとえば、年商3千万の会社が来年3億に伸ばすのはたぶん無理というもの。

5%売り上げ増を目標にしたら、そのためにどうしたらいいかを、みんなで知恵を出し合う。一足飛びしないプロセスを考えて、ぜひ文章や図表にして「見える化」してみてください。

クライアントの意向を組むにしても、たとえその上司の方に溢れあるアイデアがあったとしても、それを実行して、利益がどのくらい出せるのか。

仕事をおもしろがることも重要です。ワクワクする気持ちがあってこそ、目標に向かう気持ちが出てきますよね。でも、仕事は趣味ではありません。利益を出さなければいけないのです。

従業員はお給料をもらっているから、たとえ利益がでなくても、マイナスになっても痛手はありませんね。

でも、会社の利益を考えれば、「ただ、作業をすればいい」ということにはなりません。相談者の上司の方は、自分はアイデアを出して仕事を生み出す人、部下はそれを処理する人、と思ってしまっているのかもしれません。また、その仕事を足掛かりにして、さらに大きな仕事を得たいと思っているのかもしれません。しかし、利益のない結果に、次のチャンスはあるのでしょうか?

相談者さんは、ぜひ、その上司の方の脳となって、アドバイスなさってみてください。上司は敵でなく味方です。ぜひベクトルを同じにして、あなたの力を発揮してくださいね。

イクボスなんて言葉も流行ってるみたいですが「言葉だけがひとり歩き」というパターンに陥りがちです……。

賢人のまとめ

上司は敵ではなく味方です。夢でなく、現実的な「目標」を明確にして、チームとして実現していく方向を見つけてみてください。

プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

(株)ヴィタミンMサイトhttp://www.vitaminm.jp/

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