芥川賞作家・綿矢りさ氏による小説を松岡茉優の主演で映画化する「勝手にふるえてろ」の特別上映会が12月5日、東京のユナイテッド・シネマ豊洲で行われ、松岡のほか、共演の渡辺大知、石橋杏奈、北村匠海、古舘寛治、片桐はいり、メガホンをとった大九明子監督が上映前の舞台挨拶に立った。

【フォトギャラリー】松岡茉優、その他の写真はこちら

大九監督が松岡と3度目のタッグを組んだラブコメディ。恋愛ド素人のOL・ヨシカ(松岡)が、10年間片思いしている男性・イチ(北村)との"妄想の恋"と、突然付き合うことになった会社の同期・ニ(渡辺大知)との"現実の恋"との狭間で、悩み傷つきながら成長していく姿を映し出す。「台本を読んだ時点で大久節がさく裂していると思った」と話す片桐から、「かなり(役を)つくられたんですか?」と質問された松岡は「(自分は)ほぼヨシカです」と告白。さらに「毎日頑張っている子、そしてキラキラしている女子、彼女たちをウザいと感じている女の子全員が、ヨシカ的な要素を持っていると思うんです。だからこそ共感してもらえて、ヨシカに思いをのせてスカっとしてもらえるはず」とアピールしていた。

今年を表す漢字1文字を問われた松岡は、本作が第30回東京国際映画祭のコンペティション部門で観客賞を受賞したことにちなみ「観」の字を掲げた。観客賞の特別上映では客席から作品を見ていたようで「先輩方が舞台挨拶の壇上で『お客様に届いて、映画は初めて映画になる』と仰られることがよくあって、これまでは意味がわかっていても、実感が湧かなかったんです。でも、今回客席で見た時、私が想像していなかったところで笑ったり泣いてしてもらって、お顔が見えなくても、この映画を感じとってくださっているということが空気でわかりました」と述懐した。そして「私たちが撮ったのは映画ではなく映像。皆様に受けとってもらって初めて映画になるということを体感しました。この映像を映画にしていただきたいと思います」と言葉を投げかけていた。

また、この日はロックバンド「黒猫チェルシー」のボーカルとしても活躍する渡辺が、本作のために書き下ろした主題歌「ベイビーユー」をサプライズで披露することになった。何も聞かされていなかった松岡は「え!? 嘘でしょ? だってエンディングで流れるよ? 台本になかったじゃない! 妹に今日は歌わないってメールしちゃった」と混乱気味。同バンドのギター・澤竜次がサポート演奏のために登壇すると、渡辺は「(歌うのは)上映前に聞いて心地よくなれるバージョン」と説明し、全身全霊で歌声を響かせた。魂のこもった楽曲に酔いしれていた松岡は「私たちが今抱いている気持ちが、上映後にわかると思います。抱きしめられた気持ちがしました」と感激の面持ちで語った。

「勝手にふるえてろ」は、12月23日から東京・新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開。

舞台挨拶を盛り上げた松岡茉優ら