南西ドイツは高級温泉保養地としても知られるバーデン・バーデンから電車で10分ほど走った所に、「バロック宮殿の町」として知られる町ラシュタット(Rastatt)があります。

18世紀にはバーデン・バーデン辺境伯の首都、19世紀には要塞都市、そして20世紀にかけては軍事都市として発展してきたラシュタット。現在では既に述べたように、「バロック宮殿の町」として町にある宮殿を前面に押し出し、その宮殿を一目見ようと多くの人が訪れます。

「ラシュタット城」とも呼ばれているこのバロック宮殿。プファルツ継承戦争(1688年~1697年)のさなか、フランス軍によって居城が焼き払われてしまったバーデン・バーデン辺境伯ルートヴィヒ・ヴィルヘルムがこの地に新たな居城を築いた事が、ラシュタット城における歴史の始まりです。プファルツ継承戦勝が終結した1697年に建設が始まり、1705年に完成しました。

宮殿内は約1時間毎ごとに開催されているガイドツアーでのみ見学ができます。時間によっては英語のツアーもあるようなので、チケット売り場で尋ねてみると良いでしょう。

中に入ってすぐの場所にあるのがこのホール。実物は写真で見るよりももっと広く、写真撮影をしている筆者の後ろにも、写真と同じような扉があります。かつてここは玄関の様な役割をしており、馬に乗ってここまで入って来ることができたのだそう。地面に足をつける必要がなかったので、靴を汚さずそのまま城の中へ入ることが可能でした。

広間から階段を上がっていくと、ロココ式とバロック式の融合した優雅な控えの間にたどり着きます。天井には、面白い形をしたフレスコ画も。まるで天井が2重になっているかのような、他ではなかなか目にすることの無い珍しい構造です。

ジュピターと鷲の像はオリジナルで、かつては城の屋根の上に飾られていました。屋根の上には現在はコピーの像が鎮座しています。

「祖先の間」では、金や大理石を贅沢に使用した壁の所々に、辺境伯に伝わる祖先の肖像画が見られます。その美しさは、おもわずため息が出てしまうほど。

部屋の装飾をよく見ると、武器のほか、鎖に繋がれ不気味な雰囲気をかもし出すオスマントルコ人たちの彫刻が多く目につきます。

城内には他にも様々な部屋がありますが、残念ながら写真撮影が許可されているのは上に紹介した部屋まで。

黄金に輝く辺境伯のベッドが置かれている部屋があるほか、日本や中国から贈られた陶磁器が飾られている部屋など、日本との繋がりも垣間見えたりするのです。それらはぜひご自身の目で確かめてみてください。

優雅な佇まいで今日も多くの人々を迎え入れるラシュタット城。貴族の暮らしがどんなものだったのか、覗いてみたいとは思いませんか?

名前 ラシュタット城
開城時間 10:00~17:00(4月~10月)、10:00~16:00(11月~3月)
休み 月曜日
住所 Herrenstraße 18-20, 76437 Rastatt
電話 +49(0)72 22.97 83 85

【世界の絶景】ため息が出るほどの美しい宮殿、ドイツ・ラシュタットのバロック宮殿