1日に契約更改、800万円から4倍超の3500万円に大幅アップ

 弱冠22歳にして、とことん己に厳しい。大幅アップにも、ニコリとも笑わない。12月1日、ヤフオクドームの球団事務所で行われた契約更改交渉。今季、外野で定位置を掴み取ったソフトバンクの上林誠知は、今季の800万円から4倍超アップとなる3500万円でサインしたが、会見中の表情は厳しいままだった。

「金額に納得している、していないではなく、成績に関しては納得していないので、そこら辺ですね。あまり結果を残していないのに、こんなに上げていただいて、少し申し訳ない気持ちはあります」

 134試合に出場して打率.260、13本塁打、51打点。初めて1年間1軍でプレーしたということを考えれば、自身に合格点を与えても良さそうなものだが、全くもって自分を甘やかす言葉は出てこなかった。

 今季は初めて開幕1軍を掴むと、右翼手として定着。序盤戦は打ちまくったものの、夏場になって急失速。そのまま状態は戻らず、クライマックスシリーズ第5戦で登録を抹消され、セレモニーの最中に涙したこともあった。「情けないというか、不甲斐ないというか、いろいろな思いがありましたけど、それもいい経験にしたいと思います。1年通して活躍する難しさというのは改めて体感することができたので、いい経験ができたと思います」。チームが日本一になっても、心から喜ぶことができなかった。

「今年よりも勝負の年だと思っています」という来季に向けて、新たな模索を始めている。シーズン終了後には侍ジャパンの一員として「アジアプロ野球チャンピオンシップ」に参加。初陣となった稲葉ジャパンで活動する中で見えてくるものがあった。

「ジャパンで練習、試合をしている中で、他の選手を見ていて感じたこととか、ここは自分が優っている、ここは劣っているというのは、見て自分が1番分かること。そこで思ったことをオフにしっかりやって来年に繋げたいですね」

日本ハム・近藤健、広島・西川は「見逃すときもブレない」

「自分が劣っている」と、上林が最も強く感じたのはどこだったのか。

「近藤さん(健介・日本ハム)の名前は挙げていたんですが、近藤さんだけでなく西川さん(龍馬・広島)もやっぱり見ていて凄いと思いました。誰か1人に絞るわけではなく、いろんな選手を見て、いいところを吸収したい。(2人の良さは)ミートですかね。タイミングの取り方が上手いというか、見逃す時もブレないので、そういうのは見習っていきたい」という。

 1月には、昨年に続きチームの先輩である内川聖一の下で自主トレを行う。

「いいバッターに共通しているのは、しっかり間が取れているということだと思う。内川さんはそこが本当に優れている方なので、ミートが上手いですし、困ったら右方向とかもできる人。そこは見習うところ。うまく間を取れる時もあるんですけど、同じようにやっているつもりでも感覚がズレている時がある。そういう時にどうするか、ですね」

 今季の夏場も感覚の狂いが生じた。その対策が、もう一段階レベルを上げる鍵になる。

「体をもう一回り大きくして、技術的にもさらにレベルアップしたい。全体的に物足りなさを感じているので、全てにおいてレベルアップしたい」

 稲葉ジャパンで見つけた成長へのヒントがあり、そして自主トレには最高のお手本がいる。2018年、上林はさらに成長した姿を、ファンに見せてくれるに違いない。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

4倍超アップとなる3500万円でサインしたソフトバンク・上林誠知【写真:藤浦一都】