話題の電気調理鍋を紹介する本連載。前回は料理好き必見の「バーミキュラ ライスポット」を紹介しました。しかし、「料理をとにかくラクにしたい」という人におすすめするなら、圧倒的にシャープの「ヘルシオ ホットクック」だと思っています。

 ヘルシオ ホットクックは、現在2モデルがあり、2~4人分に向く「KN-HT99A」と、2~6人分に向く「KN-HW24C」が選べます。今回は最新モデルである「KN-HW24C」を中心に、ヘルシオ ホットクックの魅力をお伝えしましょう。

1匹丸ごとの魚の煮付けも簡単

 ヘルシオ ホットクック KN-HW24Cは、食材と調味料を入れ、メニューを選ぶだけで献立が完成する水なし自動調理鍋です。サイズは幅395×高さ249×奥行き305mmとやや大きめ。最大6人分の料理が作れるという利点はあるものの、ひとり暮らしや2人暮らしであれば、もうひと回り小さい「KN-HT99A」を選んだほうが良さそうです。

内鍋は取っ手が付いていて持ち運びやすい。ヘルシオ ホットクックには内鍋用のフタが付属しており、このまま冷蔵庫に保存できる。
内鍋は取っ手が付いていて持ち運びやすい。ヘルシオ ホットクックには内鍋用のフタが付属しており、このまま冷蔵庫に保存できる。

 とはいえ、大きいからこそできることもあります。それは魚1匹を丸ごと調理可能なことです。たとえば、付属のメニュー集に出ている「一尾魚の煮付け」を作ってみたところ、20センチくらいの魚であれば、余裕で内鍋に収まりました。

今回は下処理が施された鯛を魚屋で購入。尾が少し折れたものの、20センチ程度であれば問題なく調理できる。
今回は下処理が施された鯛を魚屋で購入。尾が少し折れたものの、20センチ程度であれば問題なく調理できる。

 作り方も簡単で、内臓を処理した魚と調味料を内鍋に入れてフタをしたら、本体に内蔵されたメニューから「一尾魚の煮付け」を探し、スタートボタンを押すだけ。いちいち自分で時間を設定しなくていいんです。

調理したいメニューを選択したらスタートボタンを押すだけ。ディスプレイは3インチあるので文字も見やすい。
調理したいメニューを選択したらスタートボタンを押すだけ。ディスプレイは3インチあるので文字も見やすい。

 約25分で完成した煮付けは、内鍋に一切焦げ付くことなく、しかも身がふわふわです。火を使って調理する場合は、常に近くにいて気にかける必要がありますが、調理中にほかの料理に取り掛かれるのはやはり電気調理鍋だからこそなせるワザ。

完成した一尾魚の煮付けは、身がふっくら仕上がっており、筆者もここまでおいしい魚の煮付けが作れたのは初めての経験だった。
完成した一尾魚の煮付けは、身がふっくら仕上がっており、筆者もここまでおいしい魚の煮付けが作れたのは初めての経験だった。

 今回は一尾魚の煮付けを作りましたが、これならアクアパッツァも作れますし、ホームパーティーの献立として見栄えの良さを重視した魚メニューに役立ちそうです。

調理中のかきまぜ機能で味がしみ込みやすい

 ヘルシオ ホットクックが優秀なのは、煮込み中に自動でかきまぜてくれること。内蓋には「まぜ技ユニット」という収納式のバーを取り付けられるようになっており、これが加熱の進行に合わせて自動で内鍋の中身をかき混ぜてくれるのです。

閉じた状態でセットすると、メニューの過熱状態に合わせたタイミングで自動で下がる。30種類のトルクと11種類の回転時間の組み合わせで、330のプログラムのなかから適切なものを選んで混ぜてくれる。
閉じた状態でセットすると、メニューの過熱状態に合わせたタイミングで自動で下がる。30種類のトルクと11種類の回転時間の組み合わせで、330のプログラムのなかから適切なものを選んで混ぜてくれる。

 たとえば、この手の家電が得意とする「無水カレー」を作るときも、このようにカレーのルーを具材の上に載せておくだけで、途中でかき混ぜてくれるので、完成したカレーはルーがダマになることはありません。さらに、骨から身が外れやすい手羽元を入れても、食べるときまでバラバラになっていないのです。

こちらが完成した無水カレー。トマトの酸味でさっぱりしており、手羽元の肉はスプーンでほろりと外れるくらい柔らかい。
こちらが完成した無水カレー。トマトの酸味でさっぱりしており、手羽元の肉はスプーンでほろりと外れるくらい柔らかい。

 無水カレーの調理時間は約1時間5分。普通に鍋で作ったときと比較すると、そんなに変わらないように思うかもしれませんが、手羽元の柔らかさを考慮すると、ずいぶん短時間でおいしく仕上がっていることがわかります。

 カレーのような煮込み料理だけでなく、冷凍うどんを使った「煮込みうどん」も作れます。普通に鍋で作ったときに比べて、具材の鶏肉や野菜の旨みがスープにしっかり出ているように感じます。また、吹きこぼれの心配がないのもメリットです。

冷凍うどんを使う場合は2人前まで。コンロで多めのうどんを調理するには出汁を沸騰させるのに少し時間がかかるので、ヘルシオ ホットックックを使うのもアリだと感じた。
冷凍うどんを使う場合は2人前まで。コンロで多めのうどんを調理するには出汁を沸騰させるのに少し時間がかかるので、ヘルシオ ホットックックを使うのもアリだと感じた。

 しかも、ヘルシオ ホットクックは最大15時間の予約調理を設定できます。ほかの電気調理鍋でも予約調理はできるのですが、最長12時間となっているものが多いんです。すべてのメニューが予約調理に対応しているわけではないものの、ヘルシオ ホットクックなら、朝7時に用意して、夜10時でもできたての料理が食べられるので、「帰りが遅いから自炊は無理」なんて言い訳ができなくなりますね。

無線LAN対応で本体にメニューを追加できる

 ヘルシオ ホットクックの最新モデルのいいところは、メニュー集を見なくても、本体に内蔵された130の自動調理メニューを選べる点です。本体のディスプレイ上で材料や手順を確認できるので、メニュー集を開く必要はありません。

KN-HW24C以前のモデルでは、メニュー集を見てメニュー番号を入力する必要があった。製品単体で操作が完結するのは思った以上に快適だ。しかも、KN-HW24Cは操作方法や調理のポイントを発話で教えてくれる。
KN-HW24C以前のモデルでは、メニュー集を見てメニュー番号を入力する必要があった。製品単体で操作が完結するのは思った以上に快適だ。しかも、KN-HW24Cは操作方法や調理のポイントを発話で教えてくれる。

 また、KN-HW24Cは無線LAN機能を搭載し、シャープ独自のAIoTクラウドサービス「COCORO KITCHEN」に接続できるようになりました。本体に内蔵された130の自動調理メニューに加え、COCORO KITCHENからも新たなメニューを追加できます。もちろん、利用するにはWi-Fi環境が必要です。

 クラウド上には内蔵メニューに加えて100メニュー以上あり、これらを本体にダウンロードできます。あとから機能を追加できるのは、インターネットにつながる家電ならではの強みです。

 スマホやタブレットの専用アプリ「COCORO KITCHEN」を使えば、出先からメニューをダウンロードしたり、予約時間を変更したりもできます。アプリと上手く組み合わせて活用することで、より便利に使える賢い家電なんです。

 ただし、唯一の弱点を挙げるのであれば、それは「炒め」調理ができないこと。煮込む以外に、茹でたり蒸したり発酵させたりといったことはできますが、炒め調理だけはできません。とはいえ、炒めるということは“ほったらかしておけない”ので、そのあたりは利便性を追求した結果といえるでしょう。

カレーなどの煮込み調理はほったらかして作れる料理の定番。調理の手間を少しでも軽減したい人におすすめだ
カレーなどの煮込み調理はほったらかして作れる料理の定番。調理の手間を少しでも軽減したい人におすすめだ

 ヘルシオ ホットクックは、普段の料理の手間を少しでも軽減したい人にとっては魅力的な家電です。逆にいえば、料理するときに自分でアレンジを加えたい派には、やや不向き。最近、忙しくてきちんと料理が作れていないと感じている人にとっては、ヘルシオ ホットクックが“時短調理”の恩恵をもたらすほったらかし調理家電であることは間違いありません。

●DATA

ヘルシオ ホットクック
http://www.sharp.co.jp/hotcook/

●著者プロフィール

取材・文/今西絢美

編集プロダクション「ゴーズ」所属。デジタル製品やアプリなどIT関係の記事を執筆するかたわら、“おいしいものナビゲーター”として食にまつわる記事も執筆中。旅先でその土地ならではのローカルフードを探すのが好き。

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