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2017年12月1日(金)に東京・東京芸術劇場 シアターイーストにて舞台『クラウドナイン』が開幕した。本作は、イギリスの劇作家キャリル・チャーチルが、植民地だった時代のアフリカを舞台に、ある家族を中心に描いたバカバカしく、切なく、破天荒なホームドラマ。演出は、木野花が手掛けている。

『クラウドナイン』舞台写真_2

一幕はイギリス植民地時代のアフリカが舞台なのだが、二幕ではその100年後となる現代のロンドンが舞台・・・しかも、何故か登場人物たちは25歳しか年を取っていない、と常識が通用しない設定な上、登場人物を演じる役者が一幕と二幕で変わる。さらには、登場人物の性と、演じる役者の性が変わり、ゲイカップル、レズカップル、不倫、少年愛まで出てくるなど、赤裸々な性描写満載と破天荒な内容。

出演は、高嶋政宏、伊勢志摩、三浦貴大、正名僕蔵、平岩紙、宍戸美和公、石橋けい、入江雅人。三浦は、一幕ではドレスを着て初の女性役に挑戦しており、高嶋は一幕では家長役、二幕では乙女なゲイへと転身、現在47歳の正名が5歳の少女を演じるなど、驚き(楽しさ)に満ちている。

『クラウドナイン』舞台写真_3

【あらすじ】
家長のクライヴ(高嶋政宏)は、国家と常識を重んじる男らしい父親。だけど時折り襲う嵐のような欲望の奴隷。
その妻ベティ(三浦貴大)は、夫を愛する貞淑な妻であろうとするあまり、夫の友人にも愛情のおすそ分け。
一人息子エドワード(平岩紙)は、父親に認められる強い男になりたい!と願いつつ、夢中になるのはお人形遊び。
“家族が平和であれ”と、全てを見て見ぬふりの祖母のモード(宍戸美和公)。
そこに隣人の、欲望のままに生きるハガネの女ソンダース夫人(伊勢志摩)、一見ワイルドなイケメン探検家ハリー(入江雅人)、男を知らない純情な家庭教師エレン(石橋けい)、そして、両親をイギリス兵に殺された従順な召使いジョシュア(正名僕蔵)が加わり・・・。
理想の自分と現実の自分自身。そのギャップに右往左往しながら暗中模索する、不器用な家族の、バカバカしくも切ない25年間の成長の軌跡。

『クラウドナイン』舞台写真_4

開幕にあたり、演出の木野と出演者全員からコメントが届いている。

◆木野花(演出)
猛スピードで進めてきた稽古では、誰一人脱落することなく、追いついてくれたことに感謝。これから先は役者の時間です。役者を観ていただきたい。一幕と二幕で、全く違う役柄に果敢に挑戦している姿はスリリングで胸躍るものがあるはずです。この芝居がどんな風に成長するか楽しみです。

◆高嶋政宏
このシアターイーストという小空間で、すべての観客が自分たちの生き様の目撃者なんだな~と、決して大劇場では味わえない一体感に喜びを感じております。汗、唾液が飛びかい、観客の皮膚から入りこんでいく。たまりません。おそらくは、今までご覧になったことのないタイプの作品です。1970年終わり、パンクロックムーブメントが生まれた当時のロンドンが仕掛ける奇妙な家族劇。どういうストーリーなんだろう?ではなく、キャラクター一人一人をお楽しみください!

◆伊勢志摩
今回は、普段私が出ている芝居とはちょっと違います。芝居を固めたり、決めたりせずに挑まなければいけないのです。それが木野さんに言われている大前提なのです。日々新鮮な気持ちでという構えで行かねばならないと思っています。怖いです。また、舞台はその時観ておかなければ二度と体験できないものです。もちろんどんな舞台も、ですけど。今回は翻訳劇ではありますが、本当にライブ感を大切にしている芝居なのです。今、絶対に観てほしいです。

◆三浦貴大
稽古が始まった頃は、演じきることができるのか不安でしたが、初日が明けたら、お客さんからの反応があって、できている・できていないというよりも、自分が稽古でやってきたことが間違ってなかったんだなと思いました。毎日緊張しっぱなしですが、お客さんが楽しんでくれているのを感じられたので、全部のステージで楽しんでもらえるようにしなければと、気合を入れ直しました。
ストーリー的には、いろいろな性的な事柄や、時代的な問題も盛り込まれていますが、単純に笑っていい話なので、おもしろいところは、どんどん笑っていただきたいですね。自分で言うのもなんなんですが、メイクして、カツラかぶったら、僕、そこそこかわいいなと(笑)。

◆正名僕蔵
このお芝居では、8人の役者それぞれに、役の上である種のムチャぶりがされています。そのムチャぶりにそれぞれがどう受けて立っているか、劇場にお越しいただいて、目撃していただけたら、幸いです。

◆平岩紙
お客様の反応が一番楽しみでした。小さな空間で繰り広げられる展開を間近で目撃し、感じてくださり、お互いの呼吸が分かるほどで「一緒にいる感」がすごいです(笑)。演者とお客様の間に線がないというか。自分も演じてるんだか、ただ生きてるんだか、分からなくなります。スリリングで楽しいです。
まるで、怪物のようなものすごいエネルギーを持つ戯曲だと思います。木野さんの演出のもと立体化されたこの舞台は、並のテンションでは埋もれてしまうので、こっちからもお茶目に襲いかかる勢いで、パワフルに進化してゆけたらと思っています。ぜひ目撃してください。

◆宍戸美和公
幕が開くのがとても怖かったのですが、お客様の反応をやっと感じることができて、今は少し安心しています。でも、まだまだ課題はあるなぁ。翻訳劇ということで、緊張するかも・・・と迷っている方、大丈夫ですよ。私たちも客席で観たかった、と思っているんです。楽しんでいただけると思います。

◆石橋けい
まさにクラウドナイン!ハイ状態です(笑)。不思議な芝居です。こんな作品に出会えることは、この先も滅多に無いと思います。観客の皆様が、細かいところまでちゃんと聞いて、反応してくださった事が嬉しかったです。観客の皆様が入って初めて芝居は完成するんだなと、思いました。木野さんが「ここからは固めず、自由に、気持ちを動かして芝居をして下さい」とおっしゃいました。今まで言われたことがありません!せっかくそう言ってもらえたんだから、全ステージ、そう出来るようがんばりたいです!ぜひ劇場で、このハイな感覚を一緒に体感してください!お待ちしております。

◆入江雅人
本当に気の抜けない芝居だけど、攻めの気持ち臨みたいと思います。一幕と二幕で、全然違うタイプの芝居です。二本分楽しんでいただけると思います。アフリカを舞台にした一幕は、まるで大劇場のお芝居を見ているかのようなスケールで、二幕はオフブロードウェイの芝居みたいです。オフブロードウェイの芝居、知らないけど・・・。たぶんそんな感じです。

『クラウドナイン』舞台写真_5

モチロンプロデュース『クラウドナイン』は、12月1日(金)から12月17日(日)まで東京・東京芸術劇場シアターイーストにて、12月22日(金)から12月24日(日)まで大阪・OBP円形ホールにて上演。

【公式HP】http://otonakeikaku.jp/2017cloudnine/

『クラウドナイン』メインビジュアル
メインビジュアル

※高嶋政宏の「高」は「はしごだか」が正式表記

(撮影/引地信彦)

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