スーパーコンピュータースパコン)の開発を手がけるベンチャー企業PEZY Computing」(ペジーコンピューティング)の幹部が、国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」から助成金をだまし取ったとして、同社の社長ら2人が12月5日詐欺の疑いで東京地検特捜部に逮捕された。

報道によると、2人は2014年、NEDOから助成金をだまし取ろうと共謀して、助成事業に要した費用が約7億7300万円だったと増ししたの書類を提出し、助成金約4億3000万円の助成金を振り込ませた疑いが持たれている。

世界スーパーコンピューターランキングTOP500」が表した最新のランキングでは、同社などが開発した「」が4位に入った。同社長異端児として業界で知られており、12月11日放送のNHK番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』に登場する予定だったという。

今回の逮捕をめぐっては、東京地検特捜部が動いたということも注を集めている。どうして、東京地検特捜部は動いたのだろうか。元検事の落合弁護士に聞いた。

犯罪が十分立できるという判断に基づいてる」

東京地検特捜部が強制捜に乗り出す場合、その端緒(手がかり)としては、告訴・告発や、投書などの情報提供評(噂)、内偵によるものなど、さまざまなものがあります。

にとりかかった場合も、強制捜にまで至るのはごく一部で、ほとんどは強制捜前に捜が打ち切られたり、不起訴処分になったりします。

その意味で、今回、東京地検特捜部が関係者の逮捕にまで至ったのは、拠によって、犯罪が十分立でき、起訴して有罪判決が得られる見込みが相当高いという判断に基づいていると推測されます」

東京地検特捜部による取り調べはどうなっているのか。

警察逮捕した場合、その後の勾留も含めて、通常は警察の留置場で身柄が拘束されます。一方、東京地検特捜部に逮捕された容疑者は、東京拘置所で身柄を拘束されて、取り調べも基本的にそこでおこなわれます」

特捜部は「余罪」に関心を抱いている可性がある

今回の事件について注すべきポイントはどこだろうか。

東京地検特捜部が、このような詐欺事件で強制捜に乗り出す場合、その件(本件)だけでなく、余罪(別件)に対して重大な関心を抱いていることが少なくありません。つまり、捜がほかにもある可性があるということです。

最近では、なかなか立件が難しくなっていますが、東京地検特捜部のメインターゲットは中央政界、高級官僚です。そのような人たちの不正、腐敗を正すことを重要視してきた伝統があります。

成金詐欺が問題となっていますが、報道によると、詐欺の余罪になりうる事実も含めると、相当多額の資が動いているようです。その資の流れが捜される中で、贈収賄などの余罪が浮かび上がってくるかどうか、今後注されるところではないかと思います」

弁護士ドットコムニュース

【取材協弁護士
落合(おちあい・ようじ)弁護士
1989年、検事に任官、東京地検公安部等に勤務し2000年退官・弁護士登録。IT企業勤務を経て現在に至る。
事務所名:岳寺前法律事務所
事務所URLhttp://d.hatena.ne.jp/yjochi/

スパコン開発PEZY社長ら逮捕…なぜ「東京地検特捜部」が動いたのか?