谷口ジローによる「光年の森」「いざなうもの」の2冊が、明日12月8日に発売。本日12月7日には小学館にて記者会見が実施された。

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「光年の森」「いざなうもの」の2冊は、今年2月11日に死去した谷口が、約2年間の闘病生活の中で並行して執筆していた作品を収録している単行本。オールカラーで展開される「光年の森」は、森と対話して成長する少年の姿が描かれた。一般的なマンガとは異なり、同作では原稿用紙を横長で描く方法を採用。そのため見開きのページには、横長の画面いっぱいに大自然が広がる。担当編集の小田基行氏は、谷口が常々「風景が持つ感情がある。僕は風景を単なる背景としてではなく、登場人物の1人のように感情を語らせたいんだ」と語っていたと明かした。同作は全5章にて完結する予定だったが、谷口は第2章の下書きを終えたところで病没。単行本には第1章の完成原稿と第2章の下書きが収録されている。巻末には関川夏央、久住昌之、夢枕獏からのメッセージも寄せられた。

一方の「いざなうもの」には、同じく未発表の絶筆作品「いざなうもの その壱 花火」を掲載。同作は内田百間の連作短編「冥途」の内の一編「花火」を原作とした物語で、薄墨、修正液、鉛筆を用いて描かれている。作品は谷口が鉛筆で下描きしたあと、アシスタントが原稿にトレースをする形で主線を引き直し、再び谷口がペン入れにあたるところの仕上げを行い制作された。

同作は今年1月上旬まで執筆が続けられ、惜しくも完成には至らなかったが、谷口本人の発言をもとに全30ページのうち20ページまでを完成原稿と判断し収録。編集部の「最後まで読んでいただきたい」という思いから、遺族の了解を得て最後の10ページは下描きの状態で収録されている。そのほか同書には近年発表された短編やエッセイ、手帳に描かれたイラストも収められた。また巻末の見返し部分には、谷口が2016年10月頃に手帳に綴った、マンガを描くことへの思いが直筆で掲載されている。

なお12月9日から22日までの期間、東京・日仏会館ギャラリーでは、谷口の原画約70点を展示する展覧会を開催。入場無料にて鑑賞できる。

※内田百間の「間」は門構えに月が正式表記。

(c)パピエ

「光年の森」の帯あり。