民放キー局2017年4~9月期決算によると、フジメディアホールディングスHD下のフジテレビジョン一、営業赤字となった。一人負けに止めがかからない状態だ。視聴率の低迷が続き、広告収入が減った。復活へのは険しいようだ。

 フジメディアHD連結決算の売上高は前年同期4.8減の3118億円、営業利益は12.3減の116億円、純利益は8.8減の116億円だった。減収減益決算となったのは、子会社フジテレビの不振が原因だ。

 フジテレビ単体の売り上げは1272億円。前年同期より166億円、11.8減と大幅に落ち込んだ。営業損益は8億3600万円の赤字(前年同期23500万円の黒字)、最終損益は5億2200万円の赤字(同16億4700万円の黒字)に沈んだ。

 赤字決算になったのは放送収入が落ちたためだ。放送収入は918億円で前年同期より87億円、8.7減った。番組の放送時間を販売するタイム広告は385億円。65億円、14.5も落ちた。番組の間に流すスポット広告も463億円で、23億円、4.9マイナス。スポット広告は、これまでシェアが高かった化粧品・トイレタリー、清飲料、食品などが減った。視聴率の低迷で広告が出稿を控えたことを端的に物語っている。

 ビデオリサーチの18年3月期上期視聴率調174月3日10月1日、週ベース関東地区)によると、日本テレビホールディングス下の日本テレビ放送網の一人勝ちが続く。日本テレビ全日(6時~24時)、ゴールデンタイム19時22時)、プライムタイム19時23時)ともトップで視聴率三冠王だ。

 フジテレビ全日が5.7ゴールデン7.7、プライム7.6で、民放キー局5社のなかの4位にとどまる。視聴率三冠王称号93年までフジテレビのものだったが、過去の栄いまいずこだ。

 情報番組、ドラマニュース、どれをとっても視聴率が振るわない。バラエティー番組『めちゃ×2イケてるッ!』などが2018年3月で終わる予定だ。

 6月に就任したフジメディアHD宮内正喜社長は、ドラマを視聴率回復の起爆剤にするつもりだが、10月スタートしたドラマは大苦戦。期待が大きかった『民衆の敵』の10月1カ間の均視聴率は7.8で、ドラマの視聴率ランキングで10位にとどまる。

実態はデベロッパーテレビ局を経営

 フジテレビが絶不調なフジメディアHDは、何で経営を保っているのだろうか。

 17年4~9月期の実績で見ると、放送事業の売上高は全社の45を占めるが、収益の柱にはなっていない。営業利益は7億円で6を占めるにすぎない。フジテレビ、ビーエスBSフジニッポン放送の放送事業は、BSフジの利益で支えられている。BSフジの営業利益は前期22.3増の14億円だ。

 フジメディアHDの稼ぎ頭は、都市開発事業だ。売上高は8.1減の513億円だが、営業利益は29.2%増の103億円。サンケイビルは五反田サンケイビルの売却やビルの建て替えで減収になったが、新たに連結子会社となったグランビスタ ホテルリゾート(旧三井観光開発)が利益面で貢献した。全社の営業利益(116億円)のほぼ全額都市開発事業が叩き出している。サンケイビルなどの都市開発事業がフジテレビ赤字を埋めているという構図だ。

 決算発表会見で宮内社長都市開発事業の今後の方針について、「ミッドサイズオフィスビルやホテルなどの開発を中心に進め、まず安定的に営業利益100億円以上を創出するセグメントにしていきたい」と述べた。

 収益構造で見る限り、「デベロッパーテレビ局を経営している」というのが実態だ。都市開発事業が好調なうちに、フジテレビは視聴率を回復して赤字経営から脱却できるのだろうか。

 しかし、いまだに決め手を見いだしてはいない。
(文=編集部)

FCGビル(「Wikipedia」より)