【ロンドン時事】今年のノーベル文学賞を受賞する日系英国人作家カズオ・イシグロ氏は7日、ストックホルムのスウェーデン・アカデミーで記念講演を行った。「不確かな未来」に直面する社会の現状に懸念を示しつつ、「世界を良い方向に動かすのは困難だが、それぞれの立場で備えることはできる」と述べ、文学もそのために重要な役割を果たせると強調した。

 日本人の両親の間に長崎で生まれ、5歳の時に渡英したイシグロ氏は、「地元で唯一の外国人」だった少年時代や若い頃の創作活動を回想。日本についての記憶が薄れる中、「私にとっての日本」を思い起こし、作品につなげようと苦悩したエピソードを紹介した。