北欧5カスウェーデンノルウェーアイスランドフィンランドデンマーク)の各大使12月13日日本記者クラブ東京都千代田区)で会見、移民男女平等、少子高齢化教育、雇用などさまざまな問題に対する最新の自政策を紹介した。

中でもメディアから注度が高かったのは、国家レベルとしては世界初となる実験を行なっているフィンランドの「ベーシックインカム」だ。就労状態や所得額にかかわらず、一定額の現が支給する制度で、複雑化した社会保障制度の革や雇用促進の政策として導入が検討されているという。

複雑化した社会保障制度を革、雇用を促進する「ベーシックインカム

フィンランドユッカ・シウコサーリ大使によると、ベーシックインカム実験は今年1月からスタート2018年12月まで2年にわたり実施される。25歳から58歳の失業者2000人をランダムに選び、毎560ユーロ(約7万5000円)を支給するというもので、レベルでの実験は、フィンランド世界初という。ベーシックインカムを受給中、就労しても継続される上、所得税率にも影はないのが特徴だ。

その狙いを、シウコサーリ大使はこうった。

ベーシックインカムの導入は、社会保障制度の革、また雇用を促進するために検討されています。フィンランド社会保障制度は、独立した5年後にあたる1922年から少しずつ整備されてきましたが、長い年を経て、複雑化かつ非効率化、官僚義的になってしまいました。しかし、日本と同様、高齢化が進もうとしており、社会にかかるコストを抑制することができないという認識です。

そのため、社会保障制度のシステムを簡素化すると同時に、民的に生活の権利を損なわないようにしながら、『インセンティブ』も排除しようとしています。『インセンティブ』とは、失業者が人があっても就労すれば失業手当をもらえず、可処分所得が下がるために就職しないことを示します。

今回のベーシックインカム実験たる的は就業促進です。構造的、長期的にフィンランドでは失業が慢性的な問題となっています。失業すると社会から疎外され、孤立感を深め、その結果、社会保障費が増大しかねません」

他にもメリットは見込まれているという。

「もう一つの狙いは、労働市場の変化に合わせることです。非正規や有期雇用、パートタイム雇用が昔にべて普及してきました。ベーシックインカムの制度は、フリーランスアーティストといった自営業、アントレプレナーにも向いた制度だと思います。正規雇用でなくても、働こうという意欲を失業者に持たせるのではないかと期待しています。こうしたレベル実験を行うのは、フィンランドが初めてです。日本を始め、各から大変な関心が寄せられています。今回の結果は、実験が終わってから表することになっています」

シウコサーリ大使は、もし実験で有益性が認められた場合は、就労している人たちも対に含めた追加実験が行われる可性を示唆した。

デンマーク社会保障「税社会への投資、投資すればリターンに関心を持つ」

また、デンマークフレディ・スヴェイ大使は、「フレキシキュリティ」をテーマった。日本では聞きなれない言葉だが、フレキシリティセキュリティを合わせた造で、柔軟な労働市場と失業者保障を組み合わせた政策。毎年、25%の人たちの転職を支えているという。

「会社は社員を簡単に採用したり、解雇したりできます。グロバル経済が急に発展している時、または停滞する時にその規模を柔軟に変化させることが可になります。ただ、失業した人に対しては、きちんと社会保障によって手当がされます。

ただ、この政策は単独ではできません。3つの柱が必要です。つまり、積極的な労働市場政策です。々は貿易です。自由な貿易およびグローバル化は、自分の仕事が他に取られないようにしながら、社会保障が損なわれてはならないということです。そのためには、強い労働市場政策が必要になります」

ヴェイ大使は、北欧に通じる高い税率について、こう見解を話した。

デンマークにおいて、社会保障は大事です。その他の北欧においても税率はとても高くなっています 日本ではいつも消費税の増税が問題になっていますが、デンマークはまったく例外なく25%です。

しかし、私はこれを社会に対する投資と考えています。といいますのも、投資をするということは、そのリターンに関心を持ちます。デンマークでは、医療も教育無料です。私には4人の子どもがいますが、これらをすべてを個人で払わなければならないとしたら、ものすごいがあったのでしょう。でも、デンマーク社会では税に対する民のコンセンサスを得て、100年もその制度が続いています。ですから、私は税を払い、社会に投資していることで安心感をもって眠れるのです。

社会保障ベースで開発されてきましたが、私たちが長期的に検討すべきは、どうやったら社会保障によって世界の人たちを助けられるか、考えることだと思います」

スウェーデン移民問題「長期的に負担ではなく、チャンスである」

スウェーデンのマグヌス・ローバック大使は、欧州社会で問題となっている移民について政策をった。

移民問題はスウェーデン、また欧州社会にとってストレステストになりました。私たちは、迫や非人的な扱いから逃れて護をめる人たちを受け入れています。は長い間、移民でした。海外から流入する移民1960年から現在まで続いています。移民によって、は恩恵を受けています。製造業やサービス産業などで労働提供されてきました。また、際的理解も深まり、グローバル化を進めることもできました。

一方で、移民ペースくなりました。これによって政治的な反発も起こっているも確かです。そこで『統合』という問題につながっていきます。移民のピークは2015年で、16万2000人が護をめてスウェーデンにやってきました。人口1人あたりとしては、欧州トップです。

それにより、社会モデルに圧がかかりました。住宅、学校、医療にも圧がかかりました。2016年には難民規制が実施され、一時的な管理が導入されました。一時的な在留許可に関しても同じです。デリケートですが、重要な問題です。多くの見方としては、難民に永住権を与えた方がいいという考えがあるからです。一時的な在留許可では、移民の人たちは社会アウトサイダーであり続けるわけです。

私たちが多文化社会に向かっているのかは、よく聞く質問です。分離も起きている一方で、スウェーデンの規範や価値観への適応も行われています。政府からも市民教育トッププライオリティであると明が出ています。EUサミット明日から始まりますが、一番センシティブなのが移民問題です。責任を共有し、護をめる人たちの分配をする。経済的な保欧州で話し合われています。

私たちは責任を担うことによって、長期的には負担ではなくチャンスであると考えています。重要なのは、欧州連合の中で、全体としてを見つけることです。際法の義務を守りながら、世界の人々が私たちのところに来てくれているということを活用したいです」

日本に欠けているのは当局や制度に対する信頼では」

この他、ノルウェートム・クナップスクーグ参事官からは男女平等に関する制度、アイスランドハンネス・ヘイミソ大使からは教育へのオープンアクセスについてプレゼンテーションがあった。

メディアとの質疑応答では、日本との違いとして「社会保障制度を支える高負担に不満は出ないのか」などが聞かれた。これに対し、スウェーデンのローバック大使は、「どのように税を使うのか大きな問題であり、常に議論されていますが、スヴェイ大使が話したように、税社会への投資だと納得してもらうことが大事です。つまり、信頼性が常に問われています」と答えた。

また、デンマークのスヴェイ大使は、マイナンバー制度を例として挙げ、「日本の場合、欠けているのは当局や制度に対する信頼ではないでしょうか。デンマーク人は個人のデータ1967年から政府に預けていますが、信頼に基づいています。信頼は社会をうまく動かします」と摘した。

弁護士ドットコムニュース

【世界初】フィンランドで失業者に毎月7万円が支給される「ベーシックインカム」実験中、その狙いとは?