「コウノドリ」(TBS系)の第10話が12月15日(金)に放送。物語はいよいよ佳境へと突入する。今回のリレー連載には、患者に現実を突きつけ、小松(吉田羊)や下屋(松岡茉優)にも愛のムチを繰り出す四宮春樹を演じる星野源が登場。第8話、9話では、父親の病気のため実家の能登に戻ることも多かった四宮だが、第10話では転機が訪れる。撮影の合間にインタビューに答えてくれた星野に、あらためて四宮について、またこれまで登場してくれた松岡茉優や坂口健太郎が話していたエピソードについても話を聞いた。

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■ シーズン2の四宮は人間的にすごく成長してた

――シーズン1と2で四宮先生に対する印象に変化はありましたか?

シーズン2の台本を読ませてもらったとき、まず思ったのが、四宮が人間的にすごく成長してるなっていうことでした。(シーズン1とは)別人みたいというか。シーズン1のときは、産科医としての真面目さはもちろんあるんですけど、同じ産科のチームに対しても強い言葉を言って、あまり心に立ち入られないように自分を守っている印象が強かったんです。シーズン1のつぼみちゃんのことが一つの終わりを迎えて、そこから2年経った四宮はどうなっているのかな?と思ったら、自分を守る男ではなくて産科全体を守るような、すごく外側に目が向いた男になっているなぁというのが印象的でした。

――星野さん自身も、前シーズンよりも今シーズンの方が感情移入しやすい感覚でしたか?

産科医の方々に直接お話をうかがったりもよくするんですけど、やっぱり生と死に向き合った世界でお仕事をされているなぁってすごく思うんですね。なので、そう簡単に共感というところまではいけないんですが、以前に比べたら演じやすい感じはするっていうのはあります。四宮自身の感情を人に伝えるようになってますし。前は「ふん」とか言ってずっと横を向いてたりしてましたからね(笑)。それはそれで面白いんですけど、今回はそういうものにプラスして、優しさとか厳しさみたいなものが人間らしい形で見えてくる台詞が多いなって。前はそれこそ“ロボット”みたいで、そもそも優しい人だったという設定を考えると、四宮自身も演技しているような感じだったと思うんですよ。でも、今回は素直に思ったことを伝えようとしている気がします。あと、今回の「コウノドリ」って、“チームもの”だなってすごく思うんです。産科医だけじゃなくて、助産師もいるし、看護師もいるし、救命救急医もいるし、新生児科医もいて、それぞれが支え合ったり、連携していく――。そういうところが見どころだと思うんですけど、前はその中に四宮は入っていなかったのが、今回は入ってるっていう。それは多分、四宮の成長を受けて、みんなが自然とチームに迎え入れたんだろうなって雰囲気があって、四宮はきっと楽しいだろうなって、演じながら感じています(笑)。あんまり顔に出さないけど、うれしいんだろうなって(笑)。

■ 四宮なりに小松さんに甘えてるんでしょうね(笑)

――下屋先生が転科を決断したときや、小松先生が子宮を摘出したとき、四宮先生なりの優しさを見せていましたが、そういった女性に対する態度をどう思いますか?

不器用、ですよね(笑)。やっぱりそこは恥ずかしいんだな、と。あ、でも、ジャムパンを多用し過ぎな部分に関しては、制作陣の悪ふざけだと僕は思ってます(笑)。ただ、同じものを毎日食べ続ける医師の方が多いというお話は、産科医の方に直接聞いたことはあります。ルーティンとして四宮がジャムパンばかり食べていたり、サクラがカップ焼きそばばかり食べているのは実はリアルなシーンみたいです。四宮の優しさに関しては、女性に対してだけじゃなくて、例えば(赤西)吾郎(宮沢氷魚)ちゃんに対してだとか、誰にでも持ってると思うんです。その中で、甘やかしてはいけないっていうことも、四宮の優しさの一つなのかなって。ミスをした下屋に対して怒るシーンも、みんなが気を遣って言えないようなことを言うのは、四宮も昔同じような経験をしたことがあって、誰も何も言わない中で自分を責めてしまうことが分かるからこそ、ちゃんと先輩が責めることで自分を責める流れを変えてあげようとしたんじゃないかと。それは台本を読んでいても伝わってきました。ただ、小松先生に優しい言葉をかけてあげるっていうのはまだできないんだなと思って(笑)。まあ、彼なりに小松さんに甘えてるんでしょうね(笑)。

■ 第9話の四宮親子のシーンでは、台本では想像できなかった感覚に

――サクラ(綾野剛)との関係性はシーズン1と2を通してどう変わってきたと思いますか?

今回、四宮が前と違うなと思ったのは、シーズン1ではサクラが四宮を支えていたけど、それが逆だったこと。特に初回から3話目にかけて、悩むサクラを四宮が支えたり、見守っているという構図からのスタートだったので、それも今回の四宮のキャラクターをすごく表していたような気がします。そこを経て、2人の関係が前よりもフラットになっているというか、3話以降は研修医のころの対等な関係性に戻ってきたんじゃないかなって。前はやっぱり、サクラが四宮をお母さん目線で見ているような感覚がちょっとあったけど、今はお互いに見合っている感覚。相手がピンチのときはすぐにフォローに入るような、持ちつ持たれつの関係に自然となっているように感じますね。

――ドラマも残すところ2話となった今、四宮先生の今後にも注目が集まる一方、視聴者の間では四宮先生の父・晃志郎を演じる塩見三省さんと星野さんのお顔立ちが似ていて、まるで本物の親子のように見えると評判ですが、塩見さんとのシーンはいかがでしたか?

病室で握手をするという、9話で四宮親子にとってすごく印象的なシーンが出てくるんですけど、そのシーンを撮ってるとき、塩見さんが演じられた四宮の父・晃志郎と、僕が演じた四宮との間に生まれたものがすごくあったんですよ。それが何かっていうのは、うまく言えないんですけど…。塩見さんと事前に打ち合わせをしたわけでもないし、僕も台本を読んだ時点では想像できなかった感覚に、演じてみて初めてなったというか。塩見さんと親子としてご一緒することができて、本当に素晴らしい経験をさせていただきました。

■ みんなが思ってる坂口健太郎は幻だよねって(笑)

――ここからは共演者の方からうかがったお話をいくつかさせてください。まず、松岡さんからうかがったのですが、星野さんと綾野(剛)さんは撮影の合間にマニアックな音楽の話をされているとか。具体的にはどんな音楽について話してるんですか?

えーと、この間はイギリスのバンドのナパーム・デスの話をしましたね。あとは持っている楽器の話とか。そういう話になると剛くんも音楽をやってた人なので、会話が弾むんです。

――また、坂口健太郎さんによると、星野さんはときどき現場で笑い過ぎて「四宮はもっとクールじゃなきゃ」と自分にダメ出しをしているということですが、どんなときに笑いが止まらなくなるんですか?

ケンケン(坂口)が笑わせてくるんですよ。あの人ひどいですよ。あんな人、なかなかいない(笑)。

――どんなところがひどいんですか!?

もうね、うそばっかり言うんです(笑)。あと、NG出したときって普通は「すいません…」とか小声で謝るものですけど、彼は普通に通る声で「やっべ!」って言ったりとかするから笑っちゃう。みんなが思ってる坂口健太郎は幻だよねって、CMでご一緒してる吉岡里帆ちゃんとも話になったくらい(笑)。全然かっこつけてなくてほんと変な人なんです(笑)。今回いろいろ話して、大好きになりましたね。(ザテレビジョン・取材・文=片貝久美子)

四宮を演じる星野源