2017年12月2日と3日の2日間にわたって,アークライト催のアナログゲーム即売会イベントゲームマーケット2017」が,東京ビッグサイトの東7ホールで行われた。2日間で約1万8500人もの参加者を集め,前回のレポートでは,ゲームマーケット大賞や大手ブースを中心にお届けした。

 今回は,会場内で行われていたKickstarterに関する講演会の模様と,日本コントラクトブリッジ連盟へのインタビュー,そして筆者が気になった一般サークルブースを紹介していこう。



Kickstarterへの参加をアークライトがお手伝い

 今回のゲームマーケットカタログを確認していたら,クラウドファンディングKickstarter」のブースがあるのを発見した。よく読むと「アークライトキックスターター企画」「アークライトではキックスターターで非電ゲームを作りたいクリエイターサポートします」とあった。
 ブースで担当の人に話を聞くと,この9月から日本で正式にKickstarterスタートし,そこでボードゲームプロジェクトやってみたいと思っている日本クリエイターが大勢いる,とのこと。ただ,そのやり方が分かっていなかったり,仕組みをちゃんと理解していない人も多いという。

 そこでこのブースでは,Kickstarterボードゲームプロジェクトを立ち上げたいという人に向けて,講師を呼んで特別講演が行われた。


 戦略科学者,経営学博士中川コージ氏は,ボードゲームが大好きということもあり,Kickstarterでは600件以上のボードゲームバック支援)してきたという。その経験を活かし,Kickstarterプロジェクトを立ち上げるにはどのような準備が必要なのかをじっくり調したという。

 バッカー支援する人)は世界中にいるので,完成した作品を送るとき,ごとに送料が違ってくる。しかも,どの地域からどのくらいの数の注文がくるかも分からない。そうした送料もあらかじめ経費として掛かることをちゃんと計算に入れておかないと,とんでもない赤字になる場合があるという。


 また,プロジェクトバックできる期間は30日前後に設定されるケースが多いが,とくに気を付けたいのは,最初と最後の48時間だという。「最初の48時間で3040,最後の48時間で3040額が集まります。つまり,最初の48時間でどのくらい集めるかがポイントです」と,氏は説明する。そのためには,今年の流行語大賞にも選ばれたインスタ映えならぬ「Kickstarter映え」を狙っていかなければならないとのこと。

 「どんなにシステムが素らしくて面ゲームだとしても,試作品の写真がなかったり,見栄えがよくないものを掲載しているとバックしてもらえません。しっかり試作品を作り,映える画像や映像を作って見せる必要があります」(中川氏)

 世界中で有名なボードゲーマーに試作品を送り,事前レビューしてもらうことも大事。そこでの評価を得たうえでプロジェクトを始めると,一気にバックがくるそうだ。
 さらに,バッカー支援者)とのコミュニケーションの大切さも説。予想外の状況でコメント欄が炎上することも多く,そこは速やかに対応しなければならない。なるべく当事者と1対1のダイレクトメッセージでやりとりする方向へ誘導し,コメント欄を沈静化させることが大事だという。

 ただ,こうしたコミュニケーションでは英語が必須だ。Kickstarterプロジェクトを立ち上げる場合,世界中の人々が相手となるため,原則英語でやりとりすることになる。自分でできない場合は,サポートしてもらう人を探すしかないだろう。


 講演終了後は質疑応答コーナーに。見渡すとやはりクリエイターの参加者がほとんどで,Kickstarterという名前は聞いたことがあるけど,どうしたらいいかよく分からない,という人が多かったように思う。
 自分が作った作品をKickstarter世界に売り込みたいという野望を持ちながらも,言問題をどう解決すればいいのか,Kickstarter映えする映像写真撮影はどうしたらいいのか,といった質問も飛びだした。

 Kickstarterならでも簡単に資を集められる……なんて甘いものではなく,プロジェクトそのものの魅はもちろんだが,相応のテクニックも必要となってくる。ハードルは決して低くはないが,やり甲斐はある。自分の作ったボードゲーム世界中のプレイヤーに遊んでもらう手段のひとつとして,検討してみる価値は十分にありそうだ。


日本でも歴史のある「コントラクトブリッジ」の世界

 「トランプを使ったゲームは?」と聞かれたら,ババ抜き7並べ神経衰弱あたりを挙げる人が多いだろう。ボードゲーム好者なら,ポーカーテキサス・ホールデム)という人もいそうだ。そして,ゲームマーケットに毎年熱心に参加している人なら「コントラクトブリッジ」を思い浮かべる人もいるのではなかろうか。
 実のところゲームマーケットには,2011年から「日本コントラクトブリッジ連盟」が毎年のように参加している。ただ,その存在は知っていても,実際はどんなものなのかは知らない人もいるだろう。

 というわけで,「コントラクトブリッジ」のルール歴史,活動について,日本コントラクトブリッジ連盟の高野英樹氏に話を聞いてみた。


 「コントラクトブリッジ」は,正面に座ったプレイヤー同士がペアになって,2人対2人のダブルスで行うゲームだ。ルールは,マストフォローのトリックテイキングで,最初に配られた13枚のカードを見てオークション(何トリックできるか)を行う。そこから13トリック行い,スコアを争うというものだ。
 正面の人とペアを組んでいるというのがポイントで,オークションの状況や出すカードでお互いの意思疎通を図っていく。正面プレイヤーとペアを組むチーム戦であるという点と,1回のプレイではなかなかコツはつかめず,やり込むほどその深さを理解して深みにはまっていく……といあたりは,石川県の伝統ゲーム「ごいた」に近い雰囲気もある。

 「コントラクトブリッジ」の歴史は古く,元になった「ホイスト」というゲームは1529年の文献に残っている。20世紀になると「オークションブリッジ」が登場し,1925年に現在のル―ルとなった「コントラクトブリッジ」が登場した。


 日本コントラクトブリッジ連盟ができたのは1950年昭和25年)と,すでに70年近くの歴史がある。現在の有料会員は8000人で,20万人いると言われている。日本では海外勤務が長かった人が「コントラクトブリッジ」を嗜んでいることが多く,海外赴任時に覚えてそのままハマってしまうケースが多いという。帰後もやめることはなく,遊び続ける人がたくさんいるそうだ。なので,メインプレイヤー層も50歳以上が中心となっている。

 世界プレイヤー人口は1億人とも言われており,2018年アジア競技大会では,ほかの一般的なスポーツに混じって「コントラクトブリッジ」が採用されたことで話題になった。「アジア圏では日本人プレイヤーが強いので,メダルは十分に狙えると思います」と,高野さんは期待をかけている。

 やってみたいと思った場合,どうしたらいいのか。「麻雀なら雀荘があるように,コントラクトブリッジを遊ぶためのブリッジセンターという常設会場があります」とのこと。初心者でも1人から参加できるので,まずはサイト案内を見て近くのブリッジセンターを探してみよう。


■一般サークルで気になったブースを紹介

 最後に,2日間にかけて会場をぐるりと回り,ちょっと気になった一般サークルのブースを紹介していこう。

















リンクゲームマーケット 公式サイト


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