第2回マカオ国際映画祭で14日、米Varietyが期待するアジアの次世代スター8人に贈られるアップ・ネクスト・アワードが発表され、日本から女優・忽那汐里が選ばれた。授賞式で記念のトロフィーを受け取った忽那は「最近なかなか日本ではニューカマーズの賞を頂けることがないので、別の国で受け取ることになり単純にうれしいです」と語り、笑顔を見せた。

 同賞は今年から新設されたもの。忽那は女優デビューして10年経つが、オーストラリアで育ったバイリンガルという強味を生かし、平柳敦子監督の日本・アメリカ合作映画『Oh Lucy!(オー・ルーシー!)』(来年ゴールデンウイーク公開)、ジャレッド・レトー主演『ジ・アウトサイダー(原題) / The Outsider』(来年米国公開)、さらにライアン・レイノルズ主演『デッドプール』の続編にも出演するなど、活動の場を広げている。

 本格的な海外進出のきっかけとなったのは、ヒロインを務めた『女が眠る時』(2016)で香港出身のウェイン・ワン監督と出会ったことが大きかったという。忽那は「ウェインとは英語でコミュニケーションを取りながら密に役を作ることができました。その後も海外の監督との仕事が続き、周囲からの『海外へ行ってみたら?』の声に押されて、行ってみようかなぁ? と思い始めました」と前向きな気持ちになったそうで、以降、積極的にオーディションを受けているという。

 結果、続々と出演作が決まっており、忽那も「日本で活動を始めた時は、そんなに先のことは視野になかったのですが、女優デビュー10年の節目にちょうど新しい環境と、挑戦の場が増えたなという感覚です」と語り、新鮮な空気を満喫しているようだ。

アップ・ネクスト・アワード受賞者(写真左から)アン・ソヒョン、チュティモン・ジュンジャルーンスックイン、忽那汐里、ピオラ・パスカル、ラージクマール・ラーオ、ルディ・リン、セリーナ・ジェイド

 同賞を受賞したほかのメンバーもすでに自国を飛び出し、国際的に活躍している注目株ばかりだ。台湾のエディ・ポンは、マット・デイモン主演『グレートウォール』(中国・アメリカ合作)のほか、SFアクション『-悟空伝-』(2018年2月10日公開)の主演を務めた。インドのラージクマール・ラーオは、主演映画『ニュートン(原題)/Newton』(2017)が第90回アカデミー賞外国語映画賞インド代表に選ばれ、さらに同作の演技でオーストラリアで行われた第11回アジア・パシフィック・スクリーン・アワード(APSA)で最優秀男優賞を受賞した。

 モデルとしても活躍しているタイのチュティモン・ジュンジャルーンスックインはデビュー映画『バッド・ジニアス(英題) / Bad Genius』が大ヒットし、第16回ニューヨーク・アジア映画祭ではライジング・スター・アジアに輝いている。中国のルディ・リンは、「スーパー戦隊」のアメリカ版『パワーレンジャー』でブラックレンジャーを演じた。

 フィリピンのピオロ・パスクアルは歌手としても人気の、甘いマスクのイケメンマッチョ。日本でも『牢獄処刑人』(2013)が公開されている。アメリカ人と中国人のハーフである香港のセリーナ・ジェイドは、小室哲也がプロデュースする「小室ファミリー」出身の歌手で、中国で大ヒットしたアクション大作映画『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』(2018年1月12日公開)でも活躍している。そして韓国のアン・ソヒョンは、ポン・ジュノ監督のNetflixオリジナル映画『オクジャ/okja』(2017)で少女ミジャを演じて、一躍、時の人となった。

 この日はエディ・ポンだけ欠席となったが、7人は受賞の高揚感と、これだけの顔ぶれが一同に会したことで興奮しきりといった面持ちで、最後は「皆で共演したい」「『オクジャ2』だ!」と盛り上がっていた。(取材・文:中山治美)

バイリンガルという強味を生かし活動の場を広げる忽那汐里