女性に人気のアパレルメーカー「セシルマクビー」が、下請け会社の劣悪な外国人雇用状況を12日放送の『ガイアの夜明け』(テレビ東京系)に報じられ、ネット上で物議を醸している。

「同番組では縫製工場で働く外国人の技能実習生たちの『休みは7ヶ月でたった1日』『時給400円・残業197時間で手取り13万』という驚愕の労働実態が明かされました。彼女らは『日本で稼げる』と多額の借金を背負っており、会社を移ることも出来ないという弱みに会社 側がつけ込んでいた。さらに、ひとり当たり600万円の賃金や残業代が未払いのままで、請求されたら”計画倒産”して支払いを免れ、社名を変えて再び開業するという悪質ぶりでした」(週刊誌記者)

「外国人技能実習制度」とは主に新興国の労働者が日本の企業で働くことで、日本の高い技術を身につけ、その国の発展を担う人材となることを目的とした国際協力のための制度である。現在23万人がこの制度を利用して日本で働いているが、そこに巣食うのはこうした縫製会社だけではない。番組ではこの悪質な縫製会社の「発注元」にも取材をしていた。

「彼女たちは自分の作った服を持って、発注元の大手アパレルメーカーを訪れたのですが、会社にも入れずに文字通りの門前払い。対応も事務的で『もう結構です」『孫請け会社の製品なので、直接の取り引きではないので法的責任はない」とまるで詫びる気もない最悪の対応でした。しかし、放送で僅かに映った商品タグや、商品の形からネット民たちが『セシルマクビー』の商品だと特定したようです」(同記者)

 こうした番組内容に怒った視聴者がセシルマクビーのサイトに殺到し、同社のサイトはサーバーダウンしてしまった。さらにSNSでも「セシルが安いのはこういう訳だったのか」「絶対もう買わない」「あの対応はどう考えてもグルだろ?」と大炎上に至ったのである。

■セシル側が「BPOに申し立てる」と開き直り!? テレ東に応援の声殺到!

 さらに事件はこれだけでは収まらなかった。なんと放送前に、セシルマクビー側が番組の取材を断った上に「関係者が見れば回答人(セシル)の商品と分かるような映像は、一切使うことのないよう要求します。もし、そのような映像が放送で使われた場合は放送倫理・番組向上機構(BPO)に苦情申し立てする」と、弁護士による回答書が送られていたことが発覚したのだ。

 これには「これはテレ東を絶対的に応援する」「継続取材を希望します! 徹底的に戦え」「偏向報道の汚名をそそぐチャンスだよ」とテレ東『ガイアの夜明け』を支持する声が多く飛び交っていた。

 景気が回復しないとマスコミはいうが実際、キツい仕事の現場では労働者不足が深刻である。そして末端の現場では、外国人労働者が信じ難い搾取を受けている。商品が安ければそれでいいのか。日本企業は世界に向けて「高い技術」だけでなく、まず「高い労働環境」の範を示さねばならないのではないだろうか。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。
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