院外処方は、なぜ院内処方の3倍の技術料なのか――。策として進められてきた医分業に疑問のがあがっている。2018年度の診療報酬定に向けて議論は大詰めを迎えているが、「けすぎ」「不正の温床」という批判があがっている薬局業界にとっては、厳しい定になりそうだ。

 受診した医療機関でそのままを購入することを「院内処方」、医師が交付した処方箋を持って薬局に行き、そこでを購入することを「院外処方」という。

 の処方を決める医師が販売まで行うとなると、の販売価格と仕入れ価格の差=「価差益」と呼ばれる利益をめて、本来であれば不必要なまで出すようになってしまう――。そんな“漬け医療”に対する批判から、は「医分業」を推し進めてきた。これは、医師が「処方」をし、薬局が「調剤」をする仕組みだ。

 医分業のメリットとして、厚生労働省は、医師薬剤師が処方内容をダブルチェックすることでミスが減ること、薬局口でジェネリック医薬品を推奨することによる剤費の削減、複数の医療機関で処方されたをひとつの薬局が管理することで多重投与の問題が解消されること、などを挙げている。

 そのため、薬局の経営が成り立つように診療報酬で優遇してきた。たとえば、患者が6360円のを購入する場合、院内処方であれば940円で済むが、院外処方では医師の処方料790円に加えて、薬局の取り分となる調剤報酬として調剤基本料550円、調剤1140円、学管理料430円の計2910円がかかり、費用は3倍以上に膨らむ(口で支払う額は一般的に3割負担)。

 しかし、それがはたして患者のためになっているのか。患者にとっては、医療機関でそのままを買えたほうが、手間暇がかからず費用も安く済む。

 18年度予算編成を見据えて11月16日に行われた内閣官房行政革推進本部の行政事業レビューでは、委員から「費用に見合うだけの価値を提供できているのか」との疑問のが相次いだ。

 厚労省保険局医療課長の迫井正深氏は、「ジェネリックの促進などで医療費は削減されている」とし、「単純に技術料だけを見れば3倍かもしれないが、全体額を較していただければ十分に効果がある」と説明したが、具体的に示すことはできなかった。

コンビニより多い薬局、7億円の高額報酬も

 現在日本薬局の数は約5万8000店で、すでにコンビニエンスストア(約5万4000店)を駕している。通常の物品のほかに、利益率の高い調剤業務があることが経営の支えになっている。

 業界大手の日本調剤・三原博社長の16年の役員報酬は7億3700万円で、上場企業のなかでも2番という、きわめて高い額になっている。保険診療は、民の税保険料で成り立っている。「けすぎ」という批判は的を射ていると言わざるを得ない。

 調剤報酬を含む診療報酬(医療機関薬局への報酬)は2年に1度定され、現在は18年度定に向けて議論が大詰めを迎えている。高齢化に伴い、日本社会保障費は右肩上がりで増加している。18年度も6300億円の自然増(現状と同じ状況であれば増える額)が見込まれており、財務省5000億円以下にするようめている。

 折しも調剤薬局チェーンでは調剤報酬制度を悪用した不正請が相次いで発覚している。たとえばアイセイ薬局では、調剤報酬の基準をクリアするために、実際に調剤した薬局とは別の薬局に社員やその家族処方箋を送付し、送付先の薬局調剤したものとして不正に保険するなどしていた。

 建前かもしれないが、非営利を原則とする医療法人と違って、民間企業である薬局は利益を得ることが最優先だ。そのため、「多額の的資が流れ込む医療の世界には、そもそもふさわしくない」という批判すらある。

額に見合うだけの効果が乏しい」「けすぎ」「不正が起きている」……数々の批判によって、18年度定は調剤薬局にとって厳しい結果になるだろう。
(文=編集部)

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