メディアゴン編集部

* * *

大森カンパニープロデユース、人情喜劇シリーズvol.6「いざなひ」を見た。

ABC、序破急の構成をきちんと守った破綻のない芝居だ。芝居に破綻があると突然気持ちが冷めてしまいがちだが、ずっと舞台に注することの出来る気持ちの良い芝居である。この組み立てのすばらしさは作・演出の大森博の手柄である。

おそらく感動で涙滂沱と書くのがこの芝居への一番の褒め言葉なのだろうが、それは「人情喜劇」と銘打ったからにはあたりまえのことなので、敢えて書かない。

【参考】<声優も俳優だ>「ONE PIECE」ルフィ役・田中真弓が語る俳優論

途中でもちろん笑いも取るわけだが、笑いは時として芝居の構造を揺るがせる。それを押さえるのは役者である。そのをいかんなく発揮したのは「ショークラブK」の二代オーナー哲雄を演じた佐久間哲の芝居である。この芝居があっただけで後が締まる。

まゆみ、坂本あきら、山口良一の安定感。伽代子もベテランの域に入ってきた。

流行らなくなった「ショークラブK」のオーナー哲雄は、今以内の閉鎖を考えていた、しかし、店の存続を望むかつての芸人たちが戻ってくる。芸人たちはそれぞれの事情を抱えていて・・・と言う話だ。

そうなると序破急の「急」は出演者総出演のレビューになるわけだが、ひとつ注文を付けるとしたら、このショーの構成である。スジ振りで使った動きがショーに挿入されるとかの工夫はもっとあっても良かった。(下北沢タウンホール内小劇場B1にて12月20日まで演中)