上出義フリーランス記者上智大学メディアジャーナリズム研究所研究スタッフ

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世界の反発を買ったエルサレム首都」宣言>

「何でもあり」のトランプ大統領だが、エルサレムイスラエルの「首都」と一方的に宣言したニュースには、世界が驚かされた。国連安保理事会は12月9日日本時間)、緊急会合を開催。各の代表から米国への厳しい批判や反対論が飛び交った。

欧州ストレートに「ノー」を表明したのに対し、日本は盟米国に配慮。閣議後の閣僚会見などでも、中東情勢への「懸念」を示すのが精いっぱいだった。そんな安倍政権の対応を批判する報道も、切れが悪かった。

<盟には「反対」できない対追随外交>

報道によると、安保理事会で日本の別所浩郎国連大使は、「中東環境悪化が心配」と述べると同時に、トランプ氏が中東に強く関与したことへの謝意を示すなど、対追随の姿勢を強くにじませた。12月8日の閣議後会見でも河野太郎外相や世耕成経産相から中東情勢の悪化や日本への影を危惧する発言は聞かれたが、どの閣僚もトランプ氏を直接批判する言葉は口にしていない。

イエスマンの安倍政権を厳しく批判しないメディア

一方、12月8日の在は、米国の今回の「首都」宣言を、「分別な決定」(朝日・社説)、「謀な判断」(産経)などと、こぞって批判。しかし、その政府に安倍政権が「ノー」と言えないことを厳しく摘する記事は、ほとんど見当たらない。

それを、ちゃんと報じたのは、私の知る限りTBS12月10日ニュース番組「サンデーモーニング」くらいだろうか。いつもの繰り返しになるが、日本メディアは、報道の自己規制が過ぎる。